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インタビュー《健康経営》| 新型コロナワクチン

新型コロナワクチンで改めて考える 企業の感染症対策はどうあるべきか

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ルールは平時から遵守徹底

――感染症対策ルールの設定・運用では、どのような点に注意や配慮が必要でしょうか。

 まず、疾病の種類や状況などに応じて詳しくルールを設定しておく必要があります。ただ、よくよく調べてみるとちゃんと設定されていることが少なくありません。問題は、ルールが周知されていないことです。多くの会社では、「病欠時には上長に伝えて許可をとる」程度にしか伝わっていません。そのため、現場がインフルエンザで大変な状況にあっても、人事はそのことを全く知らなかったということも少なからずあります。

 そうしたことも踏まえて、感染症対策の「分かっているはず」のルールを、レポートや連絡方法などまで決めて明文化し、平時から周知徹底させておくことが大切です。平時から徹底しておくと、有事にも迅速な対応につながります。周知には、労働安全衛生法で従業員50人以上の事業場に設置が義務付けられている「衛生委員会」を上手に活用するとよいでしょう。

――ルールは決めるだけでなく、浸透させ、平時から遵守させることが必要であるわけですね。

 そうです。ある意味でシステマチックなルールにしておき、人の判断を挟まないでも稼働するようにしておくことが必要だと思います。例えば、症状から感染症の疑いがあるとき、病院に行くのに許可が必要かどうか、感染症かどうか診断が下るまで自宅待機でよいのか、会社に行くべきかなど、ルールが決まっていないとどうしても判断にばらつきが出ます。その結果、感染症と分かって大慌てで退社したり、無理して仕事をする人を褒める上司がいたりして、さまざまな場面でトラブルになりがちです。

 ケースバイケースではどうしても「漏れ」が生じますし、属人的では本人や上長の主観や価値観が反映されてしまう。感染症は根性で治るものではないですし、役職によって手加減してくれるわけでもない。ルール化して機械的に対処が決まっているほうが、公平かつ的確で合理的な判断ができるはずです。さらに明文化して浸透させておくことで、「いざというときの安心感」が生まれれば、安心して働ける職場としてのロイヤルティも上がります。いや、そもそもそれができていない会社は、安全配慮義務違反といっても過言ではありません。実際に訴えられることはなくとも、安心して働けない職場では決して生産性が向上することはないでしょう。

 ちょっと話が脱線しますが、6月上旬に新型コロナワクチンの職域接種申し込みに想定以上の企業が、我こそはと手を挙げて、ワクチンが足りなくなるという事態に陥りましたよね。あれはまさに、企業の「安心して働ける職場づくり」に対するアピールなのだと思いました。早くワクチンを接種して以前のように働いてほしいという思惑もあると思いますが、企業の安全管理にまつわる姿勢を示すことが重要と認識した企業が増えたためと感じています。

――感染症対策ルールを策定する場合、どこから始めて、どこまで行えばよいのでしょうか。

 まずはルールがあるか、どのようなルールになっているかを確認することから始めてはいかがでしょうか。私が関わったところはほとんどが、ルールはあるけれどもインフルエンザ対策だけという状況でした。風疹・麻しんやインフルエンザのほか、流行性角膜・結膜炎などの感染症、そして最近ならデング熱やエボラ出血熱など海外に多かった感染症などもリストアップし、それぞれに対してルールを定めておく必要があります。そのためのひな形はありますし、健康管理システムCarelyでも感染症管理規定を提供しているので、それらをもとに産業医の先生や看護師の方と相談しながら作成するのがよいでしょう。

 もちろん、すべてにおいて緻密なルール設定ができればいいのですが、会社の事業内容によって重視すべき感染症は異なるので、優先順位の高いものから設定するようにしましょう。例えば、海外渡航の多い商社やメーカーなら、東南アジアやアフリカなど渡航先に応じて、黄熱やマラリア、エボラ出血熱、デング熱などは意識したほうがよいでしょう。教育や保育など子どもの多い環境なら手足口病やとびひ、ヘルパンギーナなど、飲食・食品に関わるならノロウイルスやサルモネラ、コレラなど、特に意識すべきものがあるかもしれません。

 また、人数や営業所の数、範囲などでも異なるほか、企業文化や「大切にしている理念」などでも変わってきます。例えば、「女性の活躍」や「子育てとの両立」などを打ち出している会社なのに、風疹に対して無策、子どもの感染症に対して無知というのでは、本当にそう考えているのか疑わしく感じられますよね。このように、会社によって全く異なるルールになる可能性があるので、自社内で協議しながら丁寧に策定するほかないと思います。

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ワクチン接種の状況把握が困難な中でのルール策定

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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