多くの人事の皆さんが、新卒入社者・キャリア入社者・異動者の「オンボーディング(早期活躍と定着を支援するプロセス)」に悩みを抱えていることでしょう。本連載記事では、組織内で起こりがちな「オンボーディングあるある」を解決する具体的なヒントを紹介していきます。第3回は、キャリア入社者のオンボーディングについて客観的な調査データを中心に見ながら、深く掘り下げたいと思います。客観的にキャリア入社者自身の内面や、施策の効果を掘り下げることによって、多くの示唆を得ることができると思います。
キャリア入社者たちは早く「組織の一員になった」と実感したい
キャリア入社者のオンボーディングで、人事や上司が目指すべきゴールは、キャリア入社者自身が「組織の一員になった」と実感を抱くことです。彼らは、自分の取り組みによって成果が生まれたと認識し、自分の力が周りに認められたとき、一員になったと感じて心が安定し、力強く前を向けるようになります。
次表は、キャリア入社者の皆さんが組織の「一員になった」と感じた瞬間のコメントを集めたものです。「仕事の成果」に関わるエピソードが非常に多く寄せられていることが分かります。しかし、それだけでなく、きちんと評価され褒められたり、任せてもらったり、頼りにされたりして、自分が役立つ存在だと実感していくことで適応する感覚を得ているようです。
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本連載の第2回で、「やる気が高まる公式」を紹介しました。本人が自分で決めて、周りからOKをもらい、効力感を感じることができれば、やる気は高まる、という公式です。これに当てはめて考えると、主体的にミッションに取り組んで成果が生まれる(自分で決める)こと、褒められる・頼りにされる・任される・信頼される(周りからOKがもらえる)こと、成果を実感して自分にOKを出せる(効力感を感じる)ことが、キャリア入社者のやる気を高めると捉えられ、それがこの調査結果に現れているといえます。
多くのキャリア入社者が適応するために「対人面」の工夫をしている
キャリア入社者たちは、適応のために努力をしています。次表は、キャリア入社者が適応するために工夫したことをまとめたものです。コミュニケーション、分からないことを聞く、社内人脈づくりや社内イベント参加など、「対人面」に関するコメント数が圧倒的に多いことが分かります。新たな組織にいち早く適応するため、多くのキャリア入社者は対人面を中心にさまざまな工夫をしているのです。
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多くの場合、企業側のオンボーディング支援策は不十分である
しかし多くの場合、キャリア入社者に対する企業側のオンボーディング支援策は不十分です。リクルート「中途入社後活躍調査 第1弾」によれば、歓迎会や導入研修のようなごく一般的な取り組みでさえ、半数以下の企業しか行っていません。それ以外の支援策の実施率は、30%以下に過ぎないのです。
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竹内 淳一(タケウチ ジュンイチ)
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 技術開発統括部 コンサルティング部 1グループ エグゼクティブコンサルタント。
1993年、株式会社リクルート入社。人事部門での採用リーダーを経て、リクルートマネジメントソリューションズに転籍。2003年から「データを活用し個を生かし組織を強くする」をテーマに、採用から入社...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

