ネット上の情報からAIが履歴書を自動生成
――scoutyとはどのようなサービスなのでしょうか?
scoutyは、日本初のAIヘッドハンティングサービスです。特徴は、転職したい人がサービスに登録して情報を入力するのではなく、オープンデータや個人がネット上に公開している情報をシステムが収集している点です。収集した情報から人材のデータベースを構築し、履歴書にあたるものを自動的に作成します。さらに、機械学習による分析で転職の可能性についても予想します。
scoutyのユーザー企業はこのデータベースを利用して、採用候補者に直接メールを送ることができます。いわば、scoutyを通じて声をかけるということですね。データベースから採用候補者を見つけるには、検索条件に開発言語をはじめとするスキルや志向性に関するキーワード、居住地などの情報を入力します。該当者がいれば、その人がやりたいであろう仕事や、普段の活動、ネット上でのアクティビティなどが、検索条件とどの程度マッチしているかを検証し、その結果を「レコメンド」という形で表示します。
例えば、「機械学習に興味のある人物」を見つけるには、「機械学習」といったキーワードを入力します。レコメンドには「機械学習のイベントに出ている」「SNSに投稿している」など、実際のアクションを踏まえて出力されます。
今後は、仕事の内容に関する情報もリアルタイムに取りたいと思っています。理想の生活スタイルや休日に何をしているかなどの詳細な情報も収集できれば、より質の高いレコメンドができると思います。
――自分のデータが登録されているかの確認はできるのでしょうか?
いえ、現在はまだ対応していません。問い合わせていただければ回答いたしますし、情報公開の停止も行っています。逆に、ご自身のデータを登録したいという方にはクロール(データ収集)申請を受け付けています。今後はご自分でscouty内の情報を確認できるようにする予定です。
―――scoutyを利用して企業が個人にアプローチした時、どれくらいの確率で会えるのでしょうか?
アプローチに対する返信率は20~30%以上というところです。実際に会える確率というのは企業によっても変わりますが、例えばfreeeさんの場合には13%、サイバーエージェント アドテクスタジオさんだと21%くらいですね。ユーザーの中には転職を考えてない人もいるので、確率的にはこれくらいの数値になっています。
仮に会えなくても、声をかけられた側はうれしいものです。普段の生活の中に「スカウト」というイベント的なことがあると楽しいと思います。企業側も「イベントがあったら来てください」といった話もできますし、丁寧にやりとりしておけば相手に良い印象が残ります。