通常業務とは別に技術面の成長を促す組織横断型の場も設定
――まずはそれぞれの所属と、インフラエンジニアがどのように業務をしているか教えてください。
万年将人氏(以下、万年):2人とも開発本部 インフラストラクチャ部 ディベロップメントオペレーションズグループで、私がマネージャー、堀口がエンジニアです。インフラストラクチャ部ではグリー全体のサービスのプラットフォームの運用を担当しています。
堀口真司氏(以下、堀口):グリーのサービスは現在数十ほどあります。最近ではVTuberや美容などジャンルを広げており、それぞれトラフィックも異なります。
万年:普段はインフラを包括的に見ており、メンバーは集まって仕事をしていますが、新サービス立ち上げ時には事業部に出向いて一緒に仕事をすることもあります。そのときには、事業部の要望に応じてプランを出したり、使えそうな新技術を提案したりします。
堀口:グリー子会社のインフラについては自由に設計してもらい、後から私たちがレビューだけ行う場合もあります。
――新卒でインフラチームに配属される人はいますか。
万年:はい、今年は新卒2名が配属されました。新卒全体の5%程度ですね。入社直後のビジネスマナー研修を経てインフラチームに配属されると、まずはGREE Platformの運用から入ってもらいます。前よりは減っていますが、今でもオンプレミスのサーバーが数千台規模で稼働しています。データベースサーバーやWebサーバーに障害が起きたら復帰したり入れ替えたりといったオペレーションが、最初のタスクです。ただ、1~2年目でも優秀な人は事業部との現場に加わり、一緒に課題解決をしたりします。
――1~2年目でも優秀なエンジニアとは、どのような人材でしょう?
万年:障害が発生したときに、ベテランよりも早く原因を発見したりするんです。また、事業部から「こういうことをやりたい」と相談がきたときに、ベテランが予想していない解決策を提示したり、さらに導入までやってくれたり。そういう人は目立ちますね。
堀口:数年に1人くらい、そういう人が出てきます。本人の能力に加え、何事にも突っ込んでいく、積極性も大きいと思います。
――最初の1~2年だと、他にどのようなことを学びますか。
万年:主業務に関わる縦のレポートラインのほか、それ以外に技術分野ごとに横でつながる「ユニット」というものがあり、それぞれで学ぶようにしています。
堀口:ユニットは、業務のチームだけではカバーできない技術要素をエンジニアが学ぶための場です。他のメンバーと切磋琢磨しながら技術力を伸ばすのに役立っています。参加するユニットは、目標や課題に応じて各自で自由に選んでもらっています。いくつ所属しても構いません。ユニットのSlackのチャットを見れば有益なWebページが分かるなど、情報収集もできます。
また、若手は意欲的で自主的に勉強会を開催しています。一緒に技術系の論文を読んだり、コンテナを試しに触って構築したりしています。
万年:勉強会は若手だけではなく、チーム全体で開催することもあります。業務時間に30分だけとか。若手のほうが新しい技術を取得するのが早く、ベテランが教わることも少なくありません。
――ユニットはいくつありますか。
万年:10くらいあります。データベース関連のRDBMSユニットは、MySQL、AWS Aurora、フロントエンドならエッジに関わる技術、他にもモニタリングやクラウドなど、分野ごとのユニットがあります。
――主業務に話を戻して、オペレーションを学んだ後、3年目以降はどのようなステップがありますか。
万年:大きく分けて、技術を積極的に磨いていくスペシャリストのパスと、マネジメント系スキルを磨いていくマネージャーのパスの2つに分かれていきます。また、人事制度として1on1があり、3~5年後どうなりたいか希望を聞きながら仕事をアサインしたり、キャリアパスを提示したりします。例えばRDBMSを極めていきたいとか、インフラを横断的に管理していきたいとか。
堀口:こうした話は1年目など、早い段階からしています。インフラチームは(新サービスを出すなど動きがなく)組織として硬直しがちなので。