若年層向けの就職支援事業を展開するジェイックは、経営者、上司、人事が知っておくべき「新入社員の特徴と指導ポイント(2020年版)」を発表した。
同レポートは、同社が実施する新入社員研修「仕事の基礎の基礎」の登壇講師が中心となって、2012年より毎年作成しているもの。同社が行った新人研修の参加者161名を調査した結果がまとめられており、企業から寄せられる「新入社員の思考や指導方法がわからない」「職場で実践できる指導方法を知りたい」といった声に応える内容となっている。
今年のレポートでは、2020年新入社員の特性を「2.5次元の新人達」と名付けた。今年の新入社員は、これまで当たり前のように過ごしてきた「リアルの3次元の世界」から、入社の時期を境に「オンラインの2次元の世界」へと放り込まれることになり、3次元と2次元の狭間で上手く立ち回ることを求められるためだ。
2020年新入社員の特徴は次のとおりだという。
①良くも悪くもインフルエンサーの影響を受けやすい
・「自ら率先して動く」のは少数
・ 誰かの行動の後を追う
②他社から見られている事を極端に気にする
・行動で評価されることをよく理解している
・他者からの反応を気にしすぎて、行動が消極的になる
③お互いを尊重し、フォローし合おうとする意識が高い
・お互いを積極的にフォローできる
・多様な価値観を受け入れる受容力の高さ
④自分の情報を極力外に出そうとしない
・表情がなかなか出てこない
・自分の考えを伝える経験が少ない
⑤関係性を重視する
・周囲や身近な人間関係を大事にしている
・相手の改善点を率直に伝えられない
また、2020年新入社員の指導方法として、次の点を挙げている。
①外から見える行動を事実として伝える
・基準を甘くしない
・自発的な改善行動に前向きに取り組めるような一言
②日ごろから相手をよく見守る
・相手を「承認」することは、人を育てる基本
・他者との比較をして、優劣にフォーカスしない
③叱る時は懇切丁寧かつ具体的に叱る
・「叱る目的」を明確に
・感情的な怒鳴りは厳禁
④コミュニケーション手段を工夫する
・挨拶や報連相は社内コミュニケーションの基本
・オンラインも上手く使う
⑤「自分の軸」を見出させる
・信念をもって仕事に打ち込む
・当たり前で平凡に見える行動を積み重ねる重要性
同レポートの目的は、今年の新入社員の育った時代背景を知ることで、育成しやすくするため。彼ら/彼女らに成果を出せるような成長をしてもらうためにも、全体の傾向を知った上で1人1人を理解し、適切な指導をしていくことが重要だと、同社では述べている。。