インタビュイー
ヤフー株式会社 コーポレートグループ ピープル・デベロップメント統括本部
コーポレートPD本部 ピープルアナリティクスラボ
山内智氏 / 木村綾子氏 / 堀江雄一氏
「一人ひとりの活躍の背中を押す」ためのデータ活用がコンセプト
――最初に、ピープルアナリティクスラボ(以下、ラボ)の役割や業務について教えてください。
山内智氏(以下、山内):私たちのチームの仕事には、大きく分けて、①人事に関わるデータを収集してデータマート(特定の用途に必要なデータを集め格納したデータベース)を構築する、②基本的な統計値やよく見る指標を定常的に可視化するダッシュボードを作成する、③より高度な分析や意思決定のための分析を行う、の3つがあります。
ラボの設立から1~2年は、各種データマートを統合してインフラ基盤をつくることに集中して頑張ってきました。今後はデータや分析結果をより広く活用してもらうように注力しつつ、人事担当者自身が直接データ分析を手がけられる環境づくりも実現したいと思っています。その準備段階として、現在は人事担当者を対象に、分析ノウハウのレクチャーのような試みも始めています。
――ヤフーでは人材開発・育成の基本方針として、「従業員一人ひとりのパフォーマンス向上にむけた持続的な変化と成長を支援する『人財開発企業』」をめざす」とうたっています。
山内:当社の人事施策には「社員の才能と情熱を解き放つ」という大方針があり、私たちの動きもそれに沿って一人ひとりの活躍の背中を後押しするものになっています。具体的には、データの側面から一人ひとりの社員の活躍を可視化したり、上長の方々にサポートを提供するというのが主な業務です。
データ活用の例としては、ハイパフォーマー分析や多面評価データのバイアス除去などが挙げられます。また、ヒアリング調査では見落としてきた社員のポテンシャルを発見するとか、現在活躍しているけれど実は退職リスクが高い人を分析データから発見し、個別にサポートするといった活用も進めています。