フリーランスエンジニアが現場に求められる理由とは
――福原さんは、現職に就任するまえのフリーランス歴は何年ほどですか?
福原:6〜7年ほどフリーランスとして働いていました。トリプルアイズが設立したのは2008年で、すぐにはジョインできなかったのですが、当初はフリーランスとして働きながらトリプルアイズの仕事もしつつ、2009年から役員になりました。
――トリプルアイズはWEB開発、基幹・情報システム、インフラ基盤、AI、IoT、決済・ブロックチェーン、ドローンシステムなど幅広い技術サービスを提供されていますが、やはりフリーランスエンジニアの方を多く活用されているのですか?
福原:設立当時は8名中4〜5名がフリーランスでしたが、今は120名ほど在籍するエンジニアのうち、フリーランスは15名ほどです。
――自社に多くのエンジニアを抱えていますが、それでもなお、フリーランスの人材は必要なのでしょうか。
福原:もちろんです。急に仕事が始まって、即戦力が必要になることもありますから。また、現場でトラブルが起きた際の“火消し”として、フリーランス人材のような経験や能力の高い人が必要になることもあります。とはいえ、採用のきっかけがフリーランス契約というだけで、今いるフリーランスの方は、半年以上同じお客様先に常駐で在籍している方ばかりです。
――契約したフリーランスをお客様先に常駐させるというのは、派遣とは異なるのですか?
藤巻:派遣の場合、派遣先の上長の指示に従いますが、あくまでもトリプルアイズさんが受託したものに対応してもらうので、派遣とは大きく異なりますね。
福原:派遣と違い、請け負った仕事をやってもらうので、能動的に動けるというのがポイントなんですよ。
フリーランスエンジニアのポジションは柔軟
――お客様先に常駐してもらう際、フリーランスはどういったポジションで入るのですか?
福原:場合によって様々です。コンサルタントとして行く場合もあれば、SEやプログラマーとして入ることもあります。フリーランスはプロで能力が高い人なので、「設計しながら開発業務もしてもらう」といったように、フレキシブルに動いてもらっていますね。フリーランスだと、納品した製品への対価が収入になるので責任が生じる。彼らには総合的な判断力が求められます。
藤巻:発注する側としては必要なときに必要な成果が得られるので、雇用よりもリスクが少ないですよね。特にエンジニアは、サラリーマンにありがちな”とりあえずいてくれればいいよ”という環境ではモチベーションを下げてしまう人が多い。明確なミッションを与えられたほうが能力を発揮できるのではないでしょうか。
――社員にはないフリーランスならではの価値観があると。
福原:そうです。今、働き方改革で残業時間や長時間労働が問題になっていますが、フリーランスにとって時間は関係ありません。大切なのは結果。求められた仕事が、”できたか、できなかったか”だけです。
さらに、求められた仕事をただ終わらせるだけではなく、プロとしてプラスアルファの価値を提供しようという気概を持った方も多い。弊社の社員も同じ意識を持って働いていますが、これは発注者を感動させて「さすがプロだね」と言わせなければ、次の仕事が来ないかもしれないからです。仕事の最大の報酬は、次の仕事なんですよ。