バックオフィスのAさん
社会人5年目、前職では人事部署で労務を担当。主に派遣スタッフの社会保険手続を行う。より幅広く労務の仕事に携わるため、バックオフィスとして100人規模のWebベンチャーに転職したばかり。
人材業界のBさん
社会人10年目、新卒から人材業界で採用・業務コンサルタントとして働く。さまざまな業界のリサーチや職種・企業研究が好き。AさんとはSNSでよくコメントしあうネット友だち。
Aさん
Bさん、ちょっと聞いてもらっていいですか。今月入社した転職先で、想定外に幅広い仕事がたくさん降ってきて困っているんです。
Bさん
人事労務からバックオフィス職に転職したんですよね? 幅広いというと、どんな感じに?
Aさん
労務がメインだと言われて入社したんですが、営業から資料の印刷を依頼されたり、請求書の作成や郵送をお願いされたり、社長アポの手配なんかも任されたりするんですよね。雑用ばかり振られてて、全然スキルアップしなさそうで……これって事務の仕事じゃないんですか?
Bさん
あ、それは雑用ではなくて、総務や営業事務の業務を任されてるってことじゃないですか。
Aさん
そうなんでしょうか。バックオフィス職として採用されたので仕方がないんですかね……。あと、給与計算や年末調整をやっている経理の人が、これは労務の仕事じゃないかと言っていました。そういう仕事の割り振り方もあるのかと驚いています。
Bさん
なんだか、転職先とAさんの間で業務範囲の認識にギャップがありそうですね。改めて労務の位置づけや業務内容について一緒に整理してみましょうか。今の会社で、Aさんがどのような役割を任されているのか、企業にとって労務はどういった職種ととらえられているか理解したほうが、今のお仕事とうまく向き合えるようになると思いますよ。
労務はバックオフィスに含まれる職種で、人事職の一部である
企業の業務は一般的に、フロントオフィス・ミドルオフィス・バックオフィスに分けられます。バックオフィスとは「経理、会計、総務、庶務、人事など、セールスや顧客対応などを行う営業部門やマーケティング部門などを後方支援する部署や業務のこと」と解説されています[1]。そのため、Aさんのように、想定外に対応範囲が広かったというケースもよくあります。
一方、顧客と直接関わる営業や販売、カスタマーサポート、製造業などの開発や製造・生産といった部門をフロントオフィスと呼び分けています。
また、バックオフィスの「バック」という単語イメージから、裏方のサポート業務であるコールセンターやカスタマーサポートなども含めてバックオフィスと呼ぶケースも見られます。転職時には、転職先でバックオフィス職がどのような役割に位置付けられているのか、確認することが大切です。