エン・ジャパンは、同社が運営する「ミドルの転職」で、サイトを利用している35歳以上のユーザーを対象に「男性育休」について調査した。
調査の概要は次のとおり。
- 調査方法:インターネットによるアンケート
- 調査対象:「ミドルの転職」を利用する35歳以上のユーザー
- 有効回答数: 2066名
- 調査期間: 2023年3月9日~5月8日
性別や年代にかかわらず約8割が男性の育休取得に「賛成」
「男性が育休を取得することについて賛成ですか、反対ですか? 」と質問したところ、79%が「賛成」と回答した。
年代別では30代が、男女別では男性のほうが「賛成」の割合が若干多い結果であったが、年代別、男女別ともに大きな差は見られなかった。
続いて「男性が育休を取得する際、妥当な期間はどのくらいだと思いますか?」と質問した。「1ヵ月~3ヵ月未満」が26%で最多となった。男女別で見ると、最多は「1ヵ月~3ヵ月」が26%で共通していたが、2番目に多い回答は男女間で異なる結果となった。男性は「3ヵ月~6ヵ月」(20%)、女性は「1年以上」(20%)と、男女差が見られた。
9割の男性が「育休を取得したい」と回答
男性に「もしこれからお子さんが生まれるとしたら、育休を取得したいと思いますか? 」と聞いたところ、89%が「取得したい」(積極的に取得したい:47%、できれば取得したい:42%)と回答した。2019年の同調査[1] と比較すると「積極的に取得したい」の回答単体では6%増加と、微増という結果であった。
育休取得経験がある男性は1割未満
男性で、かつ子供がいる人に「これまでに育休を取得したことはありますか?」と質問したところ、「ある」と回答した人は8%にとどまった。続いて、「ある」と回答した人に育休の期間を聞くと、「1日~5日未満」が43%で最多であった。取得経験、取得期間ともに、2019年の結果と比較し、大きな変化は見られなかった。
「育休を取得して良かったと思うこと」に関するコメントは次のとおり。 * 社内での育休取得者が増えるきっかけになった(38歳) * 上長を含め育休取得に前向きな会社の姿勢を感じられたこと(38歳) * 今後家族でどのような生き方をしたいかなど、自分のキャリアを見つめ直す良い時間となった(40歳) * 夫婦関係が良くなった(41歳) * いかに「子育てした気になっているだけ」なのかを再認識できた(43歳) * 子育ての課題をリアルタイムで共有できたこと(51歳) * 誕生から半年の昼夜無い生活を知れたこと。それを後輩に伝えられたこと(57歳) * 家事分担を積極的に申し出る機会にもなったこと(59歳)
男性育休取得率が低い理由は「育休を取得しづらい雰囲気がある」
男性育休の取得率が低い理由を聞くと、「育休を取得しづらい雰囲気がある」(61%)が最多であった。次いで「職場が人手不足」(54%)、「収入を減らしたくない」(52%)が続いた。最も男女差があった回答は「育児は女性の役割という考え方が根強い」であった。
【関連記事】
・男性育休を3ヵ月取得で100万円支給、夫婦で育児家事を行うことで女性の社会進出と活躍を支援—大和リース
・男性の育休取得率100%を達成、有休の保有上限を失効期限なしで80日にするなど育児を支援―読売広告社
・「働き方デザイン」2022年度の成果を発表、男性育休取得率は60%を達成―オンワードホールディングス