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特別寄稿《人材育成》| 短期間で伸ばす

新卒社員が早期戦力化する5つの基本要件と、それを身に付けるコンサル企業の育成プログラムとは


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 筆者が所属するリブ・コンサルティングは、創業10年ほどのベンチャーコンサルティング企業である。創業時から新卒採用をし、自前でコンサルタントの育成に励んできた。今では、入社から約3年でクライアント企業様を背負うコンサルタント(プロジェクトリーダークラス)が育つまでになっている。本稿では早期戦力化できる人材の基本要件5つと照らし合わせながら、早期活躍を実現している弊社の人材育成プログラムを紹介する。

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基本要件①:仕事の仕方において凡事徹底できている

 まずは基本中の基本でありながらも、当たり前に実行するのが難しい「凡事徹底」だ。

 それぞれの企業で業務を推進する際の“当たり前”の水準は異なるかもしれないが、ここでの凡事徹底は“これだけは絶対にやろう”という「日報の提出」や「業務における報連相」を指す。この最低ラインの凡事徹底ができなければ、共に仕事をする仲間としての信頼にも響く。大きな仕事を任せたい、役割・責任を果たしてもらいと思っても、それができない状況になるだろう。

 成長余地が非常に大きい新卒社員にとって、この状況は致命的である。そのため、初期段階においては、凡事ができているかを細かく、入念にマネジメントすることが重要になる。

 その際、育成担当者・マネージャーとして気をつけなければならないのは、「自分が率先垂範できているか」だ。当たり前だが、育成担当者・マネージャーができていないことは、いくら正論でも響かない。「指示されている凡事は、実は実現難易度が高いのではないか」とも思わせてしまう可能性すらあるのだ。

基本要件②:自己変革に対する意欲がある

 基本要件の2つ目は「自己変革に向けた学びの意欲」である。

 多くはないとは思うが、これは本人次第だと片付けられがちではないだろうか。たしかに、本人の意欲によって一定程度左右される部分はあるが、「いかに意欲を引き出せるか」も腕の見せ所である。

 自己変革に向けた学びの意欲が醸成されない場合のリスクは、自身のできる範囲にとどまり、それ以上のことはしない/できない状況になることだ。翌年、翌々年に入る新卒社員の後輩のほうが“できる”状態になったとき、「自分には向いていない」といった形で離職していくことも少なくないのではないか。

 このような状況をゼロに近づけるためにも、育成担当者・マネージャー考えるべきは、「彼・彼女の“やる気”スイッチはどこにあるのか」だ。人それぞれ、やる気スイッチは異なるが、共通項はあると考えられる。それは「仕事の価値付け・意味付けをすること」「スモールウィン(小さな成功体験)を積み重ねること」の2点である。

 仕事の価値付け・意味付けとは、端的にいえば“目的”の共有である。具体的には、「この業務をすることで、自身にとって○○の成長につながるうえに、△△のプロジェクトにおいては、□□の観点で重要な業務である」と明確に伝達する。そうすることで、単にタスクを処理するのではなく、自身の仕事がもたらす影響を捉えながら仕事に向かうため、モチベーションが上がりやすくなるのだ。

 スモールウィンの積み重ねは、人間の承認欲求や自己実現欲求に訴えかける。新卒社員にとっては、関わる業務のほとんどが初めての経験だ。「○○がよかった!」とはっきり言葉にすることで、できるようになったことを自身で認識できる。これが、次のチャレンジに向かう意欲を醸成する。

 また、フィードバックの際により効果的なのが「Good & More」の観点である。Goodで成功体験を褒めて次のチャレンジに向かう意欲を醸成したうえで、Moreの観点でのフィードバックをすることによって、スモールウィンのサイクルを効果的にループさせることができるのだ。

基本要件③:常にバッターボックスに立てている

 先ほどのスモールウィンのループにも通じる部分だが、常にチャレンジする“場”を設けられていることは、短期間で活躍する人材を輩出するためには非常に重要なポイントである。

 自身の成長課題を特定でき、次のチャレンジテーマも決まっていても、トライする“場”がなければタイムロスになる。そこで必要になってくるのが、育成担当者・マネージャーとの定期レビューの場だ。多くの方が定期レビューの場を設けていると思うが、業務工数の確認や近況の相談などと同時に、被育成者の成長を下支えするため、トライする場を明確にすることが必要である。

 具体的には、「リフレクションの浅さ」が成長課題となっている被育成者に対して、育成担当者・マネージャーがリフレクションの深堀りをサポートすることなどが挙げられる。

 このように、トライする“場”を用意し、それに伴った準備の依頼(宿題)とフィードバックを繰り返していくことで、自身の成長課題に対して向き合い、乗り越えるためのバッターボックスに立たせ続けることが、成長のタイムロスをなくすためにも重要なのだ。ここでGood & Moreの視点でのフィードバックは忘れてはいけない。

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この記事の著者

坊 将徳(ボウ マサノリ)

株式会社リブ・コンサルティング マネージャー。関西学院大学を卒業後、リブ・コンサルティングに入社。入社後は、大手企業の中期経営計画策定やビジネスデューデリジェンスに携わった後に、世界的ユニコーン企業・ベンチャー/スタートアップ企業の事業開発・事業グロースのご支援に従事。現在はベンチャーコンサルティン...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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