ネットワークの分割に関する問題
問題2
端末Aから端末Bへと通信が行われています。図の位置を流れるデータのフレームヘッダ内のアドレス情報として、正しいものは次のうちどれでしょうか。
- 1.
- 2.
- 3.
- 4.
問題2の解説
基本事項
この問題は、MACアドレスとIPアドレスの違いを知らなければ正解できません。確認しておきましょう。
- MACアドレス
- 同一ネットワークセグメント内の端末を識別するためのアドレス。レイヤ2機器はMACアドレスを元にデータを転送する。
- IPアドレス
- 最終的な宛先となる端末を識別するためのアドレス。レイヤ3機器はIPアドレスを元にデータを転送する。
ネットワークの分割
本問では、宛先にデータが届くまでにスイッチとルータを通ります。ルータはネットワークを分割することによってブロードキャストドメインを小さくします。したがって、ネットワークが2つに分割されることとなります。
MACアドレスの書き換え
ARPの動作で言及したとおり、各端末はデフォルトゲートウェイのMACアドレスを記憶しています。送信元端末は、宛先アドレスとして、
- 宛先IPアドレス ⇒ 宛先端末
- 送信元IPアドレス ⇒ 自身
- 宛先MACアドレス ⇒ デフォルトゲートウェイとなるルータ
- 送信元MACアドレス ⇒ 自身
をセットして発信します。これを受け取ったルータは、宛先IPアドレスを元に通信を転送していきます。
上述のとおり、MACアドレスの有効範囲は同一ネットワークセグメント内です。ルータを通ることによって、異なるネットワークセグメントに通信が転送されることになります。したがって、ルータはMACアドレスを付け替えて転送します。具体的には、
- 送信元MACアドレス ⇒ 転送する自身のインターフェースに登録されているMACアドレス
- 宛先MACアドレス ⇒ 最終目的地である端末のMACアドレス
に付け替えます。IPアドレスに関しては、最終的な宛先を識別するためのアドレスなので付け替えられません。2つのアドレスの違いをしっかりと押さえてください。
重要な2つのテーブル
さて、ここまでスイッチの基本動作とARPについて確認してきました。今回の内容では2つの重要なテーブルが出てきましたので、整理しておきましょう。
- MACアドレステーブル
- レイヤ2機器が持つテーブル。自身のインターフェースと接続された端末のMACアドレスを紐づけている。届いた通信のレイヤ2ヘッダを確認して、特定のインターフェースからデータを転送するために使用される。
- ARPテーブル
- ルータやPCが持つテーブル。ARPパケットのやりとりによって紐づけられたIPアドレスとMACアドレスを格納しておく。通信を行う際のアドレスセットとして使用される。
このように、紐づけているものが異なりますので注意が必要です。似て非なるものだということを認識しておきましょう。
* * *
いかがでしたか? 本記事で挙げているものは、CCNAに合格するために必要不可欠な知識ばかりです。理解ができるまでじっくりと腰を据えて学習に取り組みましょう! 次回はIPアドレス編です。お楽しみに。