Red Hatアカデミーは2014年米国からスタート。2015年にはヨーロッパでも提供を介している。これまでに1万人以上が受講したという。
カリキュラムは、企業向けに提供するLinux(Red Hat Enterprise Linux)をベースにし、プロフェッショナルなIT技術者を育成するためのプログラムを学生向けにカスタマイズしたもの。大学、専門学校、高専などの学校法人を通じて提供し、負担もできるだけ少なくなるよう価格を設定した。レッドハットの認定資格を50%割引で受験できるといった特典もある。
10月6日より提供を開始したのは、Red Hat Enterprise Linuxの基本的な知識や技術を学ぶコースと、クラウド構築ソフトウェア「Red Hat OpenStack Platform」の実践的な利用法について学習するコース。来年4月には、アプリケーションを構築するソフトウェア「Red Hat JBoss Middleware」のコースを追加し、全6コースで展開していく。各コースの概要は次表のとおり。
コース名 | 内容 | 提供開始時期 |
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Red Hat システム管理I | Red Hat Enterprise Linuxに必要な主要システム管理タスクのパート1 | 2016年10月から提供 |
Red Hat システム管理II | Red Hat Enterprise Linuxに必要な基本のシステム管理タスクのパート2 | |
Red Hat システム管理III | エンタープライズレベルでのLinuxシステムの管理能力を強化したい方を対象 | |
Red Hat OpenStack Administration | Red Hat OpenStack Platformを使用したクラウドコンピューティング環境のインストール、設定、および保守 | |
Red Hat JBoss Enterprise Application Development I | Java EE互換アプリケーションの作成、テスト、保守の全行程 | 2017年4月から提供 |
Red Hat JBoss Application Administration I | Red Hat JBoss Enterprise Application Platformのインストール、設定、管理 |
費用は、年会費が学校法人当たり10万円(税別)。下記の教材やサービスが提供される。
- Webテキスト(モバイル対応)
- 小テスト
- クラウド演習環境
- 学生管理ユーティリティ
- Red Hat Eメールサポート(英語でのサポート)
- Rad Hatコミュニティのアクセス
また、このプログラムを受講している学生は、Red Hat認定資格試験を1万8000円(税抜き)で受験できる。通常の受験料は3万6000円(税抜き)からなので50%の割引である。指導教官・教諭向けのコースもあり、こちらも定価から50%割引で受講できる。なお、Red Hatアカデミーを利用する場合、指導教官・教諭にまずトレーニングを受講してもらっているとのことである。
Red Hatアカデミーの国内最初の利用校は、学校法人電波学園が運営する東京電子専門学校。10月3日より、OpenStackコースを高度情報システム科(4年制)で正規科目として開講した。同校では、来年からRed Hat Enterprise Linuxに対応したコースも順次開始する予定。レッドハットでは、2018年2月末を目途に、日本全国で約100学校法人への導入が目標と述べている。