VSNは全国のIT技術者に「今後現場におけるニーズが高まると思うIT技術は?」という質問をインターネットなどを経由して行い、調査の結果を3つの分野に分けて発表。なお、この調査は2015年から連続して行われており、2017年の有効回答数は合計225サンプル。
OS・サーバ・ストレージ・データベース分野
この分野では、AWS(Amazon Web Services)が1年以内に3割、3〜5年以内に2割を占め、首位となった。このほか1年以内にニーズが高まるIT技術として、VMware vSphere 6、RHEL(Red Hat Enterprise Linux)7が続いていることから、直近に注目が集まっているのは仮想化やクラウド技術だといえそうだ。一方、1年以内よりも3〜5年以内にニーズが高まる技術として挙げられたWindows Server 2016は、昨年の9月末にリリースされたばかりなので、現在は普及の途にある。
なお、1年以内、3〜5年以内ともに2割を超えたOpenStackは、IaaSと呼ばれるもっとも低いレイヤのリソースを提供するかつ、オープンソースで開発されていることから、大規模なWebサービスから個人利用までをカバーできる柔軟性の高さが、直近はもちろん、近い将来においても評価ポイントになったと思われる。
ネットワーク・セキュリティ・運用
1年以内、3〜5年以内ともに首位となった「次世代ファイヤーウォール」とは、現在のファイアウォールにFacebookやTwitterといったアプリケーションのアクセス許可/不許可などの制御機能「アプリケーションコントロール」を実装したセキュリティゲートウェイを指す。合わせて2位の「攻撃手法の理解」は、次世代ファイアウォール導入とは切り離せないIT技術になると思われる。
1年以内よりも3〜5年以内の方がニーズが高まるとされている「100Gイーサ」「5G」はともに、通信環境向上への足がかりとなる技術だ。「100Gイーサ」とは100ギガビット・イーサネットのこと。現在の主流となっている10/40ギガビット・イーサネットの約2倍〜10倍の速度でイーサネットフレーム(ネット上に流れるデータ)を送ることができる。昨年あたりから、SNSサービスのデータセンター内で100ギガビット化の流れが見られるようになっている。また、5Gは次世代の通信規格で、高速大容量接続はもちろん、同時多接続や低遅延などを実現する携帯通信規格として注目を集めている。
開発ツール・方式・言語
開発言語の「Java」が昨年の2位から首位になり、昨年首位の「IoT」は2位に。ただし、IoTは3年〜5年以内では1位となったことから、IT技術者の長期的な関心がうかがえる。また、AI(人工知能)やビッグデータとの相性が良い開発言語「Python」や、開発の短期化を実現するための開発手法の1つ「アジャイル開発」などもランクインしている。
一方で3年〜5年以内の長期的な観点から見ると、「DeepLeaning」「データマイニング」といった、開発言語のPythonとの関わりも深い、AIおよびビッグデータ関連の技術ニーズが高まりそうだ。
この調査結果の詳細は、こちら(PDF)からダウンロード可能。