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特別寄稿《人材育成》| AI時代を迎えた中での人材育成

日本企業が直面する人材成長の構造的な問題へ提言 富士通が取り組んだ育成のフルモデルチェンジとは

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新たな成長メカニズムを意図的に機能させる富士通での実践事例

 では、この新しいメカニズムを意図的に機能させるためには、どうすればよいでしょうか。そのためには、経営トップ層、ミドル層それぞれの役割の変革が不可欠です。経営トップ層は自然には機能しなくなった成長のメカニズムを意図的につくり出すという意思決定と実践、ミドル層は部下のやりたい気持ちや持っている力を引き出し、1つ上の視点での良質な成功体験を積ませ、育てるマネジメントが重要です。

 実際に大きな変革を遂げている富士通の事例を紹介しましょう。富士通は日本企業として新しい成長メカニズムの再構築を大胆に実践しています。IT企業からDX企業への転換を掲げ、全方位的に変革を推進していく中で、収益力向上や株価の上昇といった目に見える成果はもちろんのこと、牽引する人材の変革も進んでいます。

 富士通においてはジョブ型人材マネジメントへの移行により、事業戦略に連動した人材ポートフォリオ(適所適材)の実現と社員1人ひとりのキャリアオーナーシップの推進を進めています。このキャリアオーナーシップの推進は、社員のやりたい気持ちの解放と自己選択による覚悟を促すことにより、上記の新しい成長メカニズムをつくる取り組みでもあります。

 富士通では、次図の成長メカニズムにおける「Mustを魅力的に語る」場面において、経営層やマネジメント層が事業戦略や環境変化を踏まえた将来の人材ポートフォリオに沿ってMustの将来像を考え・伝えています。それを受けて社員1人ひとりがWill+を自らデザインすることでキャリアオーナーシップを醸成しています。

<富士通での主な取り組み>

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 これらの取り組みの継続により、人材の質が大きく変わった実感があります。社員の組織への貢献意欲ややる気の高さを示すエンゲージメントスコアも、2024年度には、2019年度から6ポイント(63→69)向上し、2025年度はさらに改善していることが見込まれるなど成果も出始めています。

最後に:AI時代に活躍する人材

 AIの進化が加速する現代、「どのような人材が必要となり、どう育成していけばよいのか」という冒頭の問いへの答えは、「高い成果を上げようとする意欲を持ち、自律的に行動する人材を今回提案した新しい成長メカニズムによって増やしていく」ことだと考えています。

 AI活用の可能性は無限に広がる一方で、それを十分に活かしきれている組織はまだ多くありません。そもそも日本企業においては、トップダウンでAIを導入しても、なかなか活用が十分になされず、トップダウンだけでなくボトムアップの取り組みも必要なのです。

 だからこそ、AIを本気で活用し、売上拡大や生産性向上につなげていくためには社員1人ひとりが自律型人材となることが求められます。

 AIがもたらす変革の波を企業成長の大きな推進力に変えることが必要な昨今、この新しい成長のメカニズムが人材育成を担う皆様のヒントになれば幸いです。

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この記事の著者

佐竹 秀彦(株式会社富士通ラーニングメディア 代表取締役社長)(サタケ ヒデヒコ)

KPMGコンサルティングやGEなどでマーケティング、コンサルティング、人事などの経験を経て富士通に入社、人事部・人材開発部の要職を務めた後に、2024年に株式会社富士通ラーニングメディア 代表取締役社長に就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://hrzine.jp/article/detail/7586 2026/03/09 08:00

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