KPMGコンサルティングは、人的資本経営の実現に向けて必要な「経営戦略と人事戦略の連動」について、日本企業の取組み状況に関する成熟度調査を実施した。
経営戦略と人事戦略の関係を具体的に示せている企業は19%
成熟度を5段階(レベル1:人材の価値認識、レベル2:人事部門のPDCAサイクル、レベル3:経営部門と人事部門のストーリー化、レベル4:経営部門と人事部門の戦略連動、レベル5:独自価値の創出)に分けて、人的資本ストーリーの成熟度の分析を行った。
調査対象企業の96%が、人的資本を「経営戦略における重要な要素」と位置付けていることが確認された。一方で、経営戦略と人事戦略の接続関係を具体的に示している企業は19%にとどまった。
また、経営戦略と連動した人事戦略や方針を掲げ、インプットからアウトカムに至る因果の流れを整理・図示できている企業は約4割だった。人的資本を通じて独自の価値創造まで明確に示せている企業は、全体の1割程度となった。
人材ポートフォリオと中長期戦略の連動は不十分
成熟度を3段階(レベル1:重点人材設定、レベル2:重点人材の強化、レベル3:戦略起点の人材設計)に分けて、人材ポートフォリオの成熟度の分析を行った。
人材ポートフォリオは、約7割の企業が経営人材、グローバル人材、デジタル人材など、何らかの重点人材のタイプを設定していることが確認された。一方で、経営・事業戦略に基づいて人材のタイプを設計していると把握できる企業は10%に留まった。多くの企業において、人材ポートフォリオが中長期の戦略と十分に連動した形で整理されていない可能性が示唆される結果となった。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 対象:日本国内の人的資本先進企業73社(東証プライム上場企業のうち人的資本レポートを発行している企業32社、人的資本コンソーシアム好事例集掲載企業のうち東証プライム上場企業41社)
- 調査時期:2025年9月~12月
- 調査方法:経営戦略と人事戦略の連動に関する全14問について、各社の公開情報を基にYes/Noで精査(人的資本ストーリーの開示状況に関する設問:11問、人材ポートフォリオの開示状況に関する設問:3問)
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