ビズリーチは、オンボーディングを支援する新サービス「OnBoard AI」を提供開始した。同サービスはオンボーディングにかかる負担を軽減しつつ、即戦力として活躍できる人材を育成する仕組みを構築。生成AIが組織固有の暗黙のルールも含めた知識の伝達や反復練習などの「教える」業務を代替し、1人ひとりに合わせた学習コンテンツを提供する。
記者発表会で説明に立ったビズリーチ Onboard AI 事業責任者の茂野明彦氏によれば、同社が調査したところ、オンボーディングの仕組みがない、もしくは実施していないと回答した人が72.8%にものぼったという。その背景には「マネージャーが忙しくて育成に限界がある」ことや「育成が属人化しており、体系化されていない」ことがあった。
こうした問題を解決するに当たって立教大学 経営学部 准教授の田中聡氏による監修の下、同社が開発したのが独自フレームワーク「ACEモデル」だ。このモデルは、Ability(技術学習)・Culture(文化適応)・Expectation(役割理解)により、入社者の定着・即戦力化を促すもの。Onboard AIは、ACEモデルを学習したAIが、同モデルに基づいたオンボーディングプランとともにセルフラーニング環境を入社者に提供する。
具体的には、技術学習のためにクイズやロープレなどを提供する機能、文化適応するために「脱色(アンラーン)」するための機能、役割を理解するためのジョブクラフティングを促す機能を提供する。加えて、オンボーディングに関するコンサルティングも行う。また今後、モデルに基づいたスコアリングも提供する予定だ。
セルフラーニングでオンボーディングを進めていける同サービスだが、「マネージャーには、Onboard AIで省力化されたリソースを、人によるラストワンマイルの支援(個別の支援、機会提供など)に振り向けて、Onboard AIと協働で人材を育ててほしい」と茂野氏。加えて、「Onboard AIのようなツールを使えば、オンボーディングの多くの部分をAIに任せ、個別支援だけマネージャーが入ればよいという形にできる。これまでは育成人数が増えるとマネジメントコストが上がってしまう、ないしは1人に対する教育の濃度が下がってしまうという問題があったが、1人で20~30人をマネジメントすることも非現実的ではないと思っている。大規模マネジメントをいかに可能にするかにもチャレンジしていきたい」と述べた。
なお、記者発表会では茂野氏の説明に先んじて、ビズリーチ 代表取締役社長 酒井哲也氏が登壇。同社がオンボーディング支援を手がける理由を、次のように説明した。
「まずキャリア採用の増加がある。転職等希望者は1020万人(約6人に1人)を超え、企業も採用計画でキャリア採用が新卒採用を上回る状況だ。しかし、その中でキャリア入社者の早期離職リスクが顕在化している。企業の持続的な成長のためには、当社がこれまで支援してきた『採用』だけでは不足で、採用後の「即戦力化」も進めていかなければならない。そこで当社はOnboard AIにより、AIとデータで再現性のあるオンボーディングを実現する」(酒井氏)
さらに、ビスリーチのリソースを注ぎ、次の事業としてOnboard AIを立ち上げていきたいと意気込みを表した酒井氏。Onboard AIは、ビズリーチ事業やHRMOS事業の一部ではなく、単体で提供していくという。
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