マネーフォワードは、バックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」の中堅企業向けサービスを拡充し、バックオフィス業務をクラウドで完結できる「マネーフォワード クラウドERP」を開始すると発表した。
中堅企業のバックオフィス部門は、中小企業のバックオフィス業務に比べて従業員や取引量が多く、処理すべき書類や手続きも大量に発生する上、一定のガバナンスが求められることから、複雑なワークフローやアカウント管理が求められる。一方で、既存のオンプレミス型ERPは、高コストかつ導入に時間を要し、サーバーの保守メンテナンスやバージョンアップにも一定の工数がかかるため、大企業並みのシステム投資や体制を確保しづらい中堅企業にとって、導入にハードルがある。また、新型コロナウイルスの影響によりテレワークが推奨される中で、請求書管理や書類への捺印など、出社しなければできない業務も依然として残っており、ペーパーレスやハンコレスへの対応も求められている。
同社は、これらの課題やニーズに対応するためにマネーフォワード クラウドERPを提供し、中堅企業のバックオフィスの業務効率化を進めるとともに、DX化にも対応していくという。
同サービスはクラウド型ERPサービスで、中堅企業に必要なバックオフィス業務領域や複雑な手続きをカバーする。クラウド型のため、低コストかつ短期間で導入でき、自動バージョンアップでメンテナンスが要らず、インターネット環境があればどこからでもアクセスできる。マネーフォワード クラウドの各種サービスや同社のグループ会社が提供するサービスを組み合わせることで、クラウド型の特徴を活かしたまま、統合業務ソリューションとして利用できる。
特徴は次のとおり。
①コスト負担の削減
- 数年単位のライセンス型契約や初期費用は発生せず、サブスクリプションモデルで提供
②導入時間の短縮と柔軟な導入プロセス
- ハードウェアの購入やサーバーのセットアップが不要
- 社内の事業部単位での導入や、一部サービスの導入も可能であるため、トライアルしながら移行できる
③自動アップデート
- 税制や法律改正のタイミングで、自動アップデートされる
④他社SaaSとの連携
- 他社のSaaSとも柔軟に連携できるため、データのアップロードや手入力を減らせる
⑤セキュリティ・内部統制への対応
- SAML連携・ユーザープロビジョニング機能により、セキュアに社員アカウントの管理が可能
なお、同社は2021年までに、新たに「マネーフォワード クラウド債務支払」「マネーフォワード クラウド債権請求」「マネーフォワード クラウド固定資産」「マネーフォワード クラウド人事管理」の4つのサービスを開始する予定。
マネーフォワード クラウド債務支払(2020年12月リリース予定)
- 取引先からの請求書に対するワークフロー承認から支払までの債務管理業務をペーパレスで完結
- 電子帳簿保存法にも対応
- 会計ソフトと自動連携
マネーフォワード クラウド債権請求(2021年春リリース予定)
- 受注から入金管理まで債権管理に関わるすべての業務を一元管理
- 会計ソフトやその他CRMツールなどとも自動連携
マネーフォワード クラウド固定資産(2021年春リリース予定)
- 固定資産管理、減価償却・減損処理など、固定資産に関わるあらゆる業務をクラウド上で完結
- 複数担当者のPCやスマホなどデバイスから固定資産情報にアクセス、棚卸しができる
- 会計ソフトと自動連携
マネーフォワード クラウド人事管理(2021年リリース予定)
- 従業員情報や人事異動情報の一元管理が可能になる人事DB
- 「マネーフォワード クラウド」やその他のSaaSと連携して、人事労務業務を一気通貫