サンロフトは、4か月間の社内実証実験を経て4月15日に、同社の社内日報SNS「nanoty(ナノティ)」に「社員成長支援機能」を追加した。
サンロフトでは、日報にこそ会社と社員の成長に必要な情報があると考え、SNSブームが始まった2005年より独自で開発した社内日報SNSのnanotyで運用を開始。日報の書き方やデータの活用について追求をしてきた。その結果、日報で内省をする習慣は浸透したが、「いいね!」を分析し、何が社員や会社の成長につながっているのかに関心が及び、社員成長支援機能を開発することになったという。
社員成長支援機能には、成長マーカーと成長レポートの2つがある。成長マーカーとは、他者の日報で関心を持った部分を選択し、成長バッジ(同社ではチームワーク・チャレンジ・創意工夫・課題発見・共感のいずれか)を贈る機能。
成長レポートとは、成長バッジの配付数・獲得数、成長マーカーされた文章群をAI解析(高度自然言語処理)して抽出した高評価キーワードなどを1か月ごとに報告してくれる機能。上司や同僚の評価が可視化されるので、自己肯定感や意欲の向上が期待できる。また、上司はこのレポートを1on1や定期面談などにも活用することで、具体的な仕事の場面に応じた人材育成支援ができる。
これらの機能は、徳島大学情報センター 講師の谷岡広樹氏との共同研究「日報入力システムにおけるアノテーション機能を用いたキーワード分析」の成果に基づく。いずれのデータも日報活用を継続することでAIの精度が高まり、より確かな知識ベースが生成され、成長支援にも活かせることから、今後も社内での実証実験を継続し、その成果を公開していく予定。また、組織力の強化、人材マネジメントなどに課題を感じている企業の課題解決支援にも貢献することを目指し、セミナーの開催も計画していくとしている。