採用広報に取り組む企業から、「最初は意気揚々と始めたが、だんだん更新が止まってしまった」「SNSのアカウントは作ったものの、今日何を投稿すればいいか分からない」「コンテンツは出しているが、フォロワー数も応募数も増えず、手応えがない」といったご相談をよくいただきます。これらの原因は、決してアイデア不足でも、担当者の熱量不足でもありません。問題の多くは、「コンテンツを『設計』せずにつくっていること」にあります。採用広報のコンテンツは、その場の思いつきで生み出す「点」の施策ではありません。目的、ターゲット、チャネル、そして時間軸をセットで設計し、「線」としてつなげていくものです。今回は、再現性のある採用広報を実現するための、コンテンツ企画と発信チャネル選定の思考法を整理します。
採用広報コンテンツは「1枚の設計図」から始める
採用広報が続かなくなる最大の理由は、「何のために発信しているのか」が曖昧なまま、制作作業に突入してしまうことです。出口の見えないトンネルを走るような状態で、結果として「ネタが切れる」「判断が属人化する」「成果が測れない」という3重苦に陥ります。
これを防ぐために有効なのが、「採用広報コンテンツ企画シート」の作成です。これは発想を縛るためのものではなく、むしろ「つくる/つくらない」の判断基準を持ち、チームの共通言語をつくるためのものです。
採用広報コンテンツ企画シートの5大項目
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- 企画目的(Why)
- このコンテンツで何を達成したいのか。認知拡大か、志望度形成か、ミスマッチ防止か、あるいは内定後の不安解消か。目的が変われば、選ぶべきエピソードも、適したチャネルも180度変わります。
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- ターゲット(Who)
- 年齢や職種といった属性だけでなく、「いまどのフェーズにいる人か」を明確にします。転職を考え始めたばかりの「潜在層」か、応募先を比較検討中の「顕在層」か。ターゲットがいま、何に迷っているのかを特定しなければ、言葉は素通りされてしまいます。
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- 伝えるメッセージ(What)
- コンテンツを見終えた読者に、何を持ち帰ってほしいのか。「制度の充実」「文化の独自性」「仕事の難しさ」。欲張らず、「1コンテンツ1メッセージ」を徹底することが、読後の読後感を強めます。
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- 発信チャネル(Where)
- SNS、ブログ、オウンドメディアなど、そのメッセージが最も届きやすい場所を選びます。「拡散向き」なのか「理解向き」なのか、その役割で選びます。
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- KPI(Success)
- PVや「いいね数」だけで一喜一憂してはいけません。「応募者がどのコンテンツを見ていたか」など、最終的な採用プロセスと接続した独自の指標を持つことが重要です。

この1枚のシートがあるだけで、採用広報は担当者の「頑張り」に依存した活動から、組織的な「設計」へと進化します。
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小澤 美佳(コザワ ミカ)
2008年に株式会社リクルートに入社。中途・新卒採用領域の営業・マネージャーを経て、リクナビ副編集長として全国の大学でキャリア・就職支援の講演を多数実施。大手からベンチャーまで幅広い企業のHR支援に携わり、採用・定着・育成・インナーブランディングなどに精通。2019年にITベンチャーへ転職し、広報部署を立ち上げ、メディア露出やSNS活用を通じて採用強化に貢献。2023年、兼業で株式会社令和PRを設立し、経営戦略に寄り添うPR...
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