KPMGコンサルティングは、高度なITスキルを必要とせず現場主導でシステムの内製化を可能にする「ローコード開発ツールを活用した現場DX内製化支援サービス」を提供開始した。
ローコード開発ツールは、最小限のソースコードによりアプリケーションを迅速に開発する手法。従来のシステム開発と比較して短期間に高品質かつ安定したシステム開発を行える。これまでは、関係者が集まり要件定義を行った上で外部ベンダーに開発を依頼することが一般的だったが、ローコード開発ツールにより、現場主体の内製開発によって日常業務などを容易にシステム化できる。
一方で、ローコード開発ツールを含むシステム化が容易になると、組織内で無秩序に開発されたシステムの乱立を招き、メンテナンスや管理も複雑化して、業務継続性の確保が困難になるなどの弊害が発生する。そのため、ローコード開発ツールの導入・展開にあたっては、自社の業務プロセスやIT運用体制などを、経営層が組織横断的な視点で正しく現状把握・チェックした上で、IT部門・事業部門・管理部門が一体となって戦略的に計画することが重要だという。
このような状況を踏まえ、KPMGコンサルティングでは、ローコード開発ツールをより効果的かつ継続的に全社で活用できるよう、企業文化や企業のITリテラシーレベルを考慮した上で、組織設計からテクノロジーの定着化までのロードマップを作成し、組織体制の構築から業務改善も含めた対象業務の選定、および導入後の定着化までを総合的に支援する。
サービスの内容は以下のとおり。
【フェーズ1】 導入計画
現状把握:企業全体と現場のアプリケーション・ITインフラ環境・業務、IT体制に係る企業状態のアセスメントを実施し、状態を整理・把握して、内製化によるローコード開発ツールの導入効果が期待できる対象業務を見極める。
【フェーズ2】 BPR/構築
業務プロセスのシンプル化:ローコード開発ツールの導入効果が期待できる対象業務は、関係者と協議しながらシステムの内製化を考慮し業務のシンプル化(業務目的に則して無駄な業務を省く)を行う。
ローコードツールの開発/導入・維持体制、ルールの整備:内製開発・運用の継続化(開発・維持が可能な体制設計とIT人材教育)に係る組織体制設計と教育プラン、組織の開発ガイドラインとルールを策定する。
ローコードツールのアクションプランとロードマップの策定:上記の推進に係る一連のアクションをタスク化し、ロードマップ化(直近のタスクはWBS(Work Breakdown Structure)化)を図り、実践する現場にとって形骸化しない確実な開発・実行プランを作成して現場環境下で推進させる。
【フェーズ3】PoC/展開
内製化定着までプロジェクトに伴走:現場担当者だけでは難しいツール選定やスキル習得は、担当者とともに開発から展開までの一連のプロセスをKPMGコンサルティングが伴走して内製業務の定着化を支援する。
【関連記事】
・社内FAQ「Helpfeel Back Office」をリリース、総務・人事などのバックオフィス業務をDX化―Nota
・コロナ禍3年目のバックオフィスDX実態調査、76.4%が「進んだと感じない」―LegalForce
・非IT人材のDX人材化に応える「ノーコード研修」を一般企業向け社員研修として提供開始―リカレント