エキスパートレベル認定プログラム(CCIE/CCDE)改訂の背景について、シスコ・システムズは、次のように述べている。
「柔軟な利用方法に対応するためのITの急速な変化と、ビジネスに新たな価値をもたらすデータやアルゴリズムにより、IT担当者は変化の激しい新しい環境のニーズに対応する必要性が生じています。
シスコは認定プログラムの進化を通じて、これらの変化に対応できる人材の育成に改めて取り組んでいます。エキスパートレベル認定プログラム(CCIE/CCDE)の改訂によって、Internet of Things(IoT)やクラウド、ネットワークプログラマビリティといった企業が急速に採用を進めている最新テクノロジーと、中核的なテクノロジーの専門知識とを結びつけます」
今回の改訂では、(1)エキスパートレベルの筆記試験に新ドメイン「最新テクノロジー」を追加、(2)試験ドメインの一本化、(3)ラボ試験への対応、という3つの施策が試験に反映される。
(1)エキスパートレベルの筆記試験に新ドメイン「最新テクノロジー」を追加
新ドメイン「最新テクノロジー」は、3つのサブドメイン(クラウド、IoT、ネットワーク プログラマビリティ)と計5つのタスクで構成。概念の理解に焦点があてられるという。ただし、今後のテクノロジーの変化に応じて、3つのサブドメインは改訂していく。筆記試験の「コア テクノロジー」ドメインは、引き続き通常の改訂サイクル時にのみ改訂する。
また、「最新テクノロジー」ドメインを追加するために、筆記試験の出題内容を調整。得点の配分は、「最新テクノロジー」ドメインが総得点の10%、残りのコアテクノロジーが90%になる。
最新テクノロジードメインが追加された筆記試験は、2016年7月25日より開始される予定。2016年7月25日の開始時点では、筆記試験の試験番号や形式に変更はなく、試験時間も2時間のまま。ラボ試験にも変更はない。
なお、最新テクノロジードメインの試験の準備は「最新テクノロジー スタディリソース」(英語)で行うことができる。
資格 |
2016年7月24日までの 筆記試験の内容 |
2016年7月25日以降の 筆記試験の内容 |
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CCIE Routing and Switching | 既存の試験内容バージョン 5.0 | 調整後の試験内容バージョン 5.1 |
CCIE Wireless | 既存の試験内容バージョン 3.0 | 調整後の試験内容バージョン 3.1 |
CCIE Security | 既存の試験内容バージョン 4.0 | 調整後の試験内容バージョン 4.1 |
CCIE Service Provider | 既存の試験内容バージョン 4.0 | 調整後の試験内容バージョン 4.1 |
CCIE Collaboration | 既存の試験内容バージョン 1.0 | 調整後の試験内容バージョン 1.1 |
CCDE | 既存の試験内容バージョン 2.0 | 調整後の試験内容バージョン 2.1 |
CCIE Data Center | 既存の筆記試験[350-080]および対応する試験の内容は、2016年7月24日までに受験予定の人に適用される | 新しい統合形式バージョン 2.0は、新しい筆記試験[400-151]およびラボ試験に適用されるため、2016年7月25日以降に受験予定の人に推奨 |
(2)試験ドメインの一本化
各試験ドメインにおいて受験者が全体論的な視点を備えられるよう、既存の筆記試験とラボ試験のドメインをモジュールにまとめ、一本化する。この統合形式では、業界・最新テクノロジーを認定プログラムにいち早く取り込めるほか、特定のタスクを実施するために必要な知識のみを習得するのではなく、その内容全体を総合的に理解していることが必要となるため、受験者は、試験内容に関する深い知識と理解力がテストされた上で認定されることになるという。
CCIE Data Center v2.0が、統合形式が採用される最初のエキスパートレベルプログラムとなり、2016年7月25日以降に開始予定の筆記試験の受験者に適用。その他のエキスパートレベルプログラムは、今後の通常の改訂サイクル時に統合形式に移行される予定となっている。
(3)ラボ試験への対応
ラボ試験はより複雑になっており、試験中に大きな画面が必要だとして、2015年12月以降、エキスパートレベルの受験者には、8時間のハンズオンラボ試験の際にデュアルモニタのデスクトップが用意される。