パーソルホールディングスは、テクノロジー人材を対象に、新しい人事制度「プロダクト・エンジニア人事制度」(以下、PE制度)を新設した。
PE制度は、プロダクト開発に携わるテクノロジー人材(データ/テクノロジー、エンジニア、ITコンサルタント、ディレクター/プロデューサー、デザイナー、デジタルマーケターの6職種)が対象の評価・人事制度。現在、パーソルホールディングスとパーソルキャリアに在籍する約800名[1]が同制度の対象となっている。
従来の総合職向け人事制度は、売上目標や事業成長への貢献度合いで評価する側面が強く、長期プロジェクトや定量的な成果を計測できないプロジェクトにアサインされるテクノロジー人材の評価には向いていない設計であった。同制度では、従来の業績連動型ボーナスを廃し、職種や職位グレードごとに明文化した役割や能力と、社員が自ら設定した目標の達成度合いや身に付けたスキルによって報酬が決まるよう、個人の成長や市場価値を意識した設計になっている。
また、今後はグループ全体へ同制度を導入していく予定だという。PE制度の適用企業が増えることで、同じ人事制度・報酬制度のままグループ会社間での異動が可能になる。グループ外への転職をせずにさまざまな業務経験やスキル向上に取り組めるため、適材適所の人材配置が可能となり、テクノロジー人材のキャリアパスの可能性をさらに広げられると同社は述べている。
PE制度の特徴は次のとおり。
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- 評価・報酬制度
- 職種や職位グレードごとに明文化した役割や能力、そして社員が自ら設定した目標にどれだけ近づけたか、その達成度合いを総合的に評価する。より大きな成果を創出できるように、スキル・能力の開発目標達成度を最も重視する設計で、同じ職種、職位グレード内であっても、より高い目標を達成した社員を高く評価する。
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- 居住地フリー・フルリモート勤務
- 原則、オフィスに出社する必要がなく、業務遂行上も影響がない社員は、日本国内であればどこでも居住でき、フルリモート勤務が可能となる。
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- その他の制度
- 管理職相当以上の社員には、自らの専門性を突き詰めるエキスパートコースと、技術的知見を活かしテクノロジー人材を束ねるマネジメントコースを設け、キャリアパスを複線化した。グループ経営幹部および管理職/エキスパートは、株式報酬制度が適用され、その報酬水準の引き上げとメンバー層の報酬ベースアップを同時に実施し、積極的に人的資本投資を推進する。
注
[1]: 2023年7月時点。
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