JISAの技術強化委員会は、技術者がどんな技術を身に付けようとしているか、業界全体として技術者はどんな環境に置かれているかを把握することを目的に、毎年「情報技術マップ調査」を実施。その中で、情報技術の採用実績のアンケート調査を行っているという[1]。今回の予測は、このアンケートの過去10年間、通算で約2万5千人分のデータと、同調査のワーキンググループ(以下、WG)のディスカッションをもとに行われた。
発表内容の骨子は次のとおり。
基盤技術ではサーバー仮想化技術が伸びる一方、IAサーバーの採用が低下
10年間継続調査している基盤技術の中では、サーバー仮想化技術のみが採用実績が増えると推計。一方、IAサーバーの採用実績は低下すると推計され、これはクラウドへの移行によるものとWGは推測している。調査年数が10年未満で統計的には参考扱いであるが、クラウドはSaaS、PaaS、HaaS/IaaSのいずれもが採用実績を伸ばすと推計。資産を持たない方向性のユーザー企業にとって不可欠な要素となることから、クラウドは確実に拡大するとWGでは予想している。
サーバーOSではオープンソースが伸びるも、オンプレミスからクラウドへの置き換えが進む
LinuxなどのオープンソースのサーバOSは一貫して成長すると推計。しかし、オンプレミスからクラウドへの置き換えが進み、サーバーOSを扱う技術者の活躍の場面は、高集約で統合的な基盤の構築などに絞り込まれ、技術者は少数精鋭になるとWGでは見ている。
クライアントはスマートフォンが伸びるが、業務端末が巻き返す可能性もあり
クライアント端末はスマートフォンの採用実績が増えると推計。一方で、業務端末は実績が多く、過去からの技術蓄積があることを背景として、IoTが刺激となって巻き返す可能性があると指摘している。
注
[1]: 2015年度(平成27年度)のアンケート調査は現在も続行中で、最終的な調査結果は5月に発表される予定。