数年後の人材不足を発見!リスキリングや社内公募で先手を打つ
タレントマネジメントデータの活用は、中長期的な人材ポートフォリオの最適化にもつながっている。
「経験領域ごとの従事人数を年代別にグラフ化することで、特定の領域における年代の偏りが明確になったのです」(小林氏)
たとえば、ある事業領域では各年代がバランスよく在籍している一方で、別の事業領域では50代が非常に多く、40代以下の層が極端に薄いという課題が浮き彫りになった。このままでは数年後に業務を担う中核人材が枯渇してしまう恐れがある。
この課題に対し、大阪ガスでは他領域からの異動とリスキリングを組み合わせた施策を展開している。不足している領域への単なる配置転換ではなく、半年間程度の育成期間を設けた社内公募を実施している点も特徴だ。
若手にとっては「キャリアの相談相手」を見つける場所に
さらには、若手社員のキャリア形成にも活用している。
「了承をもらった先輩社員をデータベースに掲載し、若手社員が分類ごとに検索できるようにしています。たとえば、『今は自分は営業だけれど、ゆくゆくは人事の仕事をしたい』と考えている若手が、似たようなキャリアを持っている人を探して、面談を依頼できます」(小林氏)
走りながらブラッシュアップ 泥臭く進み続ける
データの統合から始め、各施策への展開へと進みつづけている大阪ガスのタレントマネジメント。最後に小林氏は、タレントマネジメントに取り組む姿勢について次のように強調し、セッションを締めくくった。
「人事施策は、完璧にしてから実行しようとすると時間がかかってしまいます。私たちは、6~7割仕上がったらまず実践し、走りながらブラッシュアップしていくという泥臭い運用を行っています。これからも試行錯誤を続けながら、経営戦略と人事施策の連動を深めていきたいと考えています」(小林氏)

