増大する管理職の負担
管理職を取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。成果主義の広がりによるプレイングマネージャー化が進み、プレイヤーとして成果を出しながらマネジメントを担うことが求められています。成果も短期的に上げればよいわけではなく、中期的な成果を同時に求められているので、結果的にマネジメントに割ける余裕がなくなっている状況も生まれています。
さらに、年功序列の見直しに伴う年上部下への対応や、雇用形態の多様化など、マネジメントそのものが複雑化・高度化しています。環境変化のスピードが加速する中、管理職自身がこれまで経験したことのない課題も次々と目の前に現れてきます。
弊社が2025年に実施した調査でも、「管理職の仕事の増加や期待の高まりにより、負担が大きくなっている」という回答が、管理職から最も多く選ばれています。
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こうした状況から、近年では「管理職罰ゲーム」といった言葉も聞かれるようになっています。負担が増え続ける管理職の解決策はどこまで進んでいるのでしょうか。
生成AIは管理職の助けになるのか
生成AIというと、業務効率化のツールというイメージが強く、メンバーの育成や評価などのピープルマネジメント業務とは少し距離があると思われる方も多いかもしれません。しかし、弊社が行った調査では、想像以上にピープルマネジメント業務での生成AI活用が広まっていることが分かりました。
2025年に、全国23~69歳のマネジメントメンバーを1名以上持つ就業者を対象として、ピープルマネジメントにおける生成AIの活用実態について調査したところ、すでに半数以上の人が何かしらのメンバーのマネジメント業務に生成AIを活用していることが分かりました。
上図を含め、以降に掲載する図は下記の調査によるものです。

5割超が活用、8割超が変化を実感。成果との相関も
全体の53.7%の人がメンバーのマネジメント業務に生成AIを活用していると回答し、当該業務において週5日以上と高頻度で活用している人も1割を超える(10.9%)結果となりました。仕事以外の日常の場面や、マネジメント業務以外の業務と比べると活用率はやや低いものの、マネジメント以外の業務との活用の差も8.2ポイントにとどまっており、ピープルマネジメント領域での生成AI活用が着実に広がっていることが分かります。
また、活用者の8割以上(81.0%)が、ピープルマネジメント業務に生成AIを活用したことで「良い変化があった」と回答しています。加えて、メンバーのマネジメント業務における生成AIの活用頻度が高い人ほど、自分の仕事の成果について高く認識している傾向も見られました。
ただ、因果関係ではなく相関関係に過ぎないため、生成AIを使っているから仕事の成果が高いとは言い切れません。日ごろから仕事で成果を上げている管理職ほどAIなどの新しい技術に関心が高い可能性や、普段からメンバー育成への関心が高く組織の成果を上げている人ほど生成AIを試している可能性など、さまざまな解釈が考えられます。それでも、ピープルマネジメントにおける生成AI活用と仕事の成果に対する認識との間には一定の関係がありそうだという点は見えてきました。

