Uniposは、2023年10月に発表した「人的資本経営フレームワーク(田中弦モデル)」を改訂した。今回の改訂では、内閣官房・金融庁・経済産業省による新たな人的資本可視化指針およびSSBJ基準への対応として、経営戦略と人材戦略の連動を具体化し、「財務コネクティビティ」を新たに追加。改訂版となる「人的資本経営フレームワーク2026(田中弦モデル)」もクリエイティブコモンズライセンス(表示ー継承)のもと、連絡不要・無料・商用利用可能で提供を継続する。
人的資本経営フレームワーク2026(田中弦モデル)の全体構造は次図のとおり。❶理想・大義 → ❷重点克服課題(リスクと機会) → ❸インプット・アクション(経営戦略と人事戦略の連動) → ❹アウトプット(能力・行動の変化/KPIの変化) → ❺活動の変化 → ❻アウトカム(事業成果・企業価値)→ 財務コネクティビティ という構造で構成される。人的資本インパクトパスへの転用も可能という。
同フレームワークを作成したUnipos 代表取締役会長の田中弦氏は、今回の改訂版を「中長期経営計画をこの組織は本当に遂行できるのか」という問いを起点に作成したという。パーパスや中長期ビジョンが描く「理想の姿」と、現状分析から見えてくる「現実」のギャップこそが「課題」であるとし、この課題を曖昧にしたまま人材施策を並べても、経営戦略との連動は生まれない。課題に向き合い、その克服に向けた投資と行動のストーリーを、能力・行動の変化をはじめ、KPIの変化、さらには財務価値への接続まで一気通貫で描き切る必要がある。それが同フレームワークの目的であり、投資家・従業員・社会に対して開示すべき「人的資本経営の本質的なナラティブ」だと語る。
改訂のポイントは以下のように述べている。
- ① 財務コネクティビティの追加(最大の改訂点)
- 既存事業の成長、事業ポートフォリオ転換、新規事業創造という3層の事業成果が財務指標・財務価値と連動する構造を可視化。指針改訂の最重要テーマである財務接続に取り組む際の思考整理に使ってほしい。
- ② SSBJ基準への対応——4要素に沿った開示設計
- 「ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標」の4要素を踏まえフレームワーク全体を再整理した。SSBJ基準に沿った「統合的なストーリー」を構築する際の出発点として使ってほしい。
- ③ リスクと機会の明示
- 各人的資本投資アクションについて「機会獲得」と「リスクコントロール」双方の視点から評価・開示できる設計を追加した。
- ④ 経営戦略と人材戦略の連動をより具体化
- 中長期計画達成に向けた重点克服課題から人的資本投資を導く思考フローを詳細化。課題と理想のギャップを定義し解決アクションへ落とし込む流れを整理している。
- ⑤ 独自指標と比較可能指標の2層構造
- 「自社独自指標」と「他社比較可能な汎用指標」の組み合わせに対応できるよう、アウトプット欄の構造を整理した。
同フレームワークのPowerPoint版はこちらからダウンロードできる。なお、利用の際には下記クレジットを表記のこと。
人的資本経営フレームワーク2026(田中弦モデル)/Unipos株式会社提供
※コモンズ証:https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/deed.ja
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