ウイングアーク1stは、人事戦略を事業戦略の推進エンジンにするための組織改革を行ったことを発表した。
具体的には、人事部が事業部の中に入っていくHRBP体制を構築。併せて、次世代の経営人材を育てる独自プログラム「ウイングアーク・グロースモデル」を策定した。2024年からの試験運用を経て本格展開を始めた。
同社ではこれまで、次のような施策を継続してきた。組織改革を進められるのは、これらの取り組みが土台にあるからだという。
- 成果に報いる「Pay for Performance」:等級・報酬制度を刷新し、企業への貢献を正当に評価して報酬に反映。
- 称賛文化を育む「ピアレコグニション」:社員同士が感謝や称賛を送り合う仕組みを整え、挑戦を称える風土を醸成。
- 対話の質を高める「1on1」と「エンゲージメント調査」:定期的な調査で組織を可視化し、対話を通じてエンゲージメントを向上。
- 自律的成長を支える「人材開発プログラム」:リスキリングやタレントマネジメントを通じ、社員1人ひとりのキャリア開発を支援。
しかし、いくら制度を整えても、運用するだけでは事業成長にはつながらない。同社の人事責任者は、制度設計や運用のフェーズを超え、人事が事業現場に籍を移し、能力を引き出す仕組みを自ら実践していく必要があると判断。人事を「管理の部門」から「競争戦略をリードする戦略機能」へと進化させる決意を固めた。
また、黒字経営が続く中、社員アンケートからは、「楽に稼ぎたい」という安定思考が一部で醸成され始めていることが分かった。同社の行動指針の1つに「挑戦し、創造する事を楽しむ」があるが、挑戦を後押しし、成長を支える本質的な人材戦略がなければ企業は衰退する。この危機感が、HRBP体制を始動させる大きな原動力となったという。
HRBP体制では、まず現場のメンバー1人ひとりとのべ120回以上の対話を重ねた。そして明らかになった「上司と部下の間にある認識のズレ」を可視化し、組織の共通言語として再構築することで、現場のマネージャー層の主体的な意識変革を引き出した。
一方、次世代経営人材を育成するウイングアーク・グロースモデルでは、ジュニア層から経営を担うハイレイヤー層まで、1〜3年の長期スパンで成長を支援。経営会議への参画や経営合宿を通じて「経営の視座」に触れる機会を設けるとともに、自分の夢を語り合う「人生のボードゲーム」といった体感型研修も行っている。
現在、これらの取り組みはグループ社員約1200名を対象に、本格的な展開フェーズに入っている。同社は「人事を、単なる管理部門で終わらせたくない。事業成長のど真ん中で共に汗をかき、競争戦略をリードするパートナーでありたい。私たちの挑戦が、日本企業の人的資本経営における1つの解になると信じている」と述べている。
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