電通国際情報サービスは、同社の統合HCMパッケージ「POSITIVE」の最新版(Ver.6.4)に、給与計算業務などの定例業務を自動化するビジネスプロセスオートメーション(以下、BPA)機能を新モジュールとして追加すると発表。同時に、スマートフォンなどからの利用が可能なスマートデバイス対応モジュールの機能強化を行い、ニューノーマルにおける働き方やリモートワークの運用拡大を支援する。販売代理店向け事前評価用のRC版を2020年12月に先行リリースし、正式版を2021年3月より提供開始する。
企業の管理間接部門の中でも人事戦略を担う人事部門の業務領域は、採用から、評価・最適配置、労務管理、福利厚生、制度策定、法規制対応など広範囲に及ぶ。その業務高度化の実現には、給与計算や年末調整などの「定型業務」を効率化し、戦略的業務に従事する人員の割合を高める必要があり、ICTを活用したオペレーション業務の自動化が解決策の1つとして求められている。
POSITIVE最新版では、こうした企業のニーズに応える機能を実装・強化することで業務効率を向上させるだけでなく、これまで複雑で属人化していた業務の可視化や標準化といった業務改革により、人事部門の生産性向上を支援するという。
POSITIVE Ver.6.4の主な新機能・機能拡充は次のとおり。
①BPA機能
- 1) 給与計算業務プロセスを自動化
- BPA機能により、給与計算業務において担当者の判断が不要な操作が自動化され、作業効率向上やヒューマンエラーの削減に貢献。また、実行時刻指定が可能で、処理実行を夜間にすれば、翌日すぐに後続処理を進められるため、作業プロセスの効率化ができる。
- 2) 複数のグループ企業を対象とした一括設定・並列処理
- グループの人事業務を集中して行うシェアードサービス部門では、同一処理をグループ会社ごとに複数回実行したり、会社ごとの個別ルールに対応したりなど、作業が煩雑かつ属人化している場合がある。BPA機能は、複数会社をまたぐ業務の自動実行プロセス一括設定と並列処理が可能で、属人化の解消や処理時間や待機時間の短縮を実現。
- 3) システム更新メンテナンスにおける省力化
- 人事給与システムは、毎年の法制度変更などへの対応により、システム更新が頻繁に発生する。RPAなど外部の自動化ツールでは、システム更新のたびに設定の確認・修正が必要となる場合があるが、BPA機能はPOSITIVEに内蔵される自動化ツールのため、システム更新時のメンテナンスにおける省力化が可能。
②スマートデバイス対応モジュールの拡充
- 1) モバイル申請(モジュール追加)
- モバイル端末で住所や家族状況変更などの各種人事申請が可能で、上長における申請承認機能や申請のメール通知機能も実装。
- 2) モバイル就業(機能強化)
- 従業員の就業管理を行う「モバイル就業」には、出退勤情報の登録、時間外や休暇などの就業申請機能に加え、タイムレコーダー打刻時に位置情報を記録するGPS機能を追加。
- 3) モバイル照会(機能強化)
- 従業員からの各種照会を可能とする「モバイル照会(旧モバイル給与)」では、従来の給与明細照会に加え、源泉徴収票・社保改定通知書の照会も可能になった。