ラーニングエージェンシーは、2020年8月3日~8月7日の期間、企業の人事・教育担当者395人を対象に「新型コロナウイルスが人事・採用に与えた影響」に関する調査を実施した。今回は、本調査のうち人事業務の変化に関する結果と考察を公表した。
調査結果の概要は以下のとおり。
コロナの影響で変更・新たに対応が必要になった人事業務は、中小企業、中堅・大企業共に「採用」が最多となった。次いで、中小企業では「就労環境・規則整備(58.9%)」、中堅・大企業では「社員育成(64.5%)」となり、企業規模によって対応を迫られた業務に違いが見られた。
また、コロナをきっかけに取り入れた施策・ツールは、1位が採用に関連する「Web面接・説明会」、2位が「Web会議システム」となり、企業規模による順位の差は見られなかったが、「Web会議システム」を導入した割合は、中堅・大企業が53.6%だったのに対し、中小企業では65.6%となり、12.0%も多い結果となった。
コロナが企業に与えた影響について大きかったのは「会社の業績」の低下で66.6%。「残業時間」は62.3%が減ったと回答した。社員のマインドに関する項目「社員のモチベーション」「会社へのロイヤリティ」「チームワーク(団結力など)」については、それぞれ半数以上が「変わらない」と回答。また、「社員の成長速度」は約4割が下がったと回答した。本問において、企業規模による回答差は見られなかった。
社員の教育に関しては、教育計画の見直しを実施・予定している企業が67.3%となった。また、企業規模別に見ると「見直している」と回答した割合が、中堅・大企業で27.3%、中小企業で10.9%、「これから見直す」と回答した割合が、中堅・大企業で10.0%、中小企業で21.4%となり、教育に対する着手のスピード感にずれが見られた。
具体的に追加・強化したいスキルについては、「コミュニケーション力(58.4%)」「マネジメント力(56.8%)」「自己管理力(47.4%)」が上位となった。