米オラクルは、企業が従業員に常にポジティブな体験を提供すると同時に、職場における需要の変化に対応していくために、 「Oracle Cloud Human Capital Management(HCM)」に大幅なアップデートを加えたことを発表した。
最新版のOracle Cloud HCMは、パーソナライズされた“ジャーニー”や成長機会を従業員に提供する一方で、人事業務におけるデータ精度を高めるための新たな製品や機能も追加。従業員と人事部門の両方の業務体験を向上させるという。追加された機能は以下のとおり。
■パーソナライズされた従業員のJourneys:新たなツールによって、組織として従業員エクスペリエンスを向上させ、従業員にパーソナライズした体験を提供できる。
- Journeys:複雑なタスクや対応が求められる従業員の公私両面におけるあらゆる状況の変化に対して、ステップバイステップで円滑な体験を提供。Journeysはこうした複数に分かれた処理に必要な様々な要素を収集し、職場復帰に伴う再オンボーディングや、従業員の心身の健康管理を支援するための様々なリソースへのアクセスの提供など、組織的に行う活動の混乱を取り除く。
- Connectionsへのプロファイルビデオの導入:従業員は「Oracle Connections」の自分のプロファイルページに10秒間の自己紹介ビデオを追加できる。これにより、リモートで働く際にもチームがつながっていることをより強く感じられるようになる。
■キャリアモビリティ(キャリアの移動性)の向上:キャリア開発に関する新たな製品群によって、組織はニーズの変化に素早く対応できるほか、キャリアのモビリティを高めて従業員の成長を促すことができる。
- Opportunity Marketplace:従業員は社内で成長機会や新たなスキルを習得するチャンスを発見できる場を提供する。これにより、従業員は従来の職務の枠を超えて、長期的な成功や満足のための機会を見いだせる。従業員が社内での短期プロジェクトや求人を見つけやすくなることで、組織は既存人材を活用して、新たな方法で短期的な人材ニーズに対処できる。
- Open Jobs for My Career:従業員が新たな社内求人に応募しやすくなるよう、新たな職務や関連するポジションにフラグ付けが可能。新しく追加されたOpen Jobs for My Careerツールは、従業員が外部で機会を求める代わりに、組織内で継続的にキャリアアップしていくために必要なサポートやリソースを提供する。
■すぐに使えるHRのベストプラクティス:複雑な人事業務のプロセスを効率化し、データ精度を高めるための新たな機能を追加。
-
Oracle Payroll Connect:Oracle Cloud HCMを通じ、リアルタイムにデータに直接アクセスできるようにすることで、主要な給与計算業務パートナーの処理業務を効率化。単一のプラットフォームで給与計算に必要なすべての情報にアクセスできることで、人事部門のリーダーはソフトウェア間を行き来することなく必要な情報を引き出せ、効率もデータ精度も改善される。
-
Oracle Anytime Pay:従業員に、自分が働いた時間分の給与の支払いを、通常の給与サイクルに先立って受ける機会を提供。このサービスによって、特に契約社員やギグプロジェクトの増加に伴うオンデマンドの給与支払いに対応でき、人事部門は新たな人材需要に応えられる。
-
Experience Design Studioのアップデート:自動補完機能やローカライゼーション機能を拡張し、人事業務のためのデータの精度を高める。例えば、各種手当や給与に関する情報を更新する際には、個々の従業員の所在地を自動的に特定し、Experience Design Studioの自動補完機能で処理効率を高めてデータエラーを削減できる。
■Connected People Analytics:分析機能を強化し、全社的な可視性を提供して意思決定を強化。ダイバーシティ&インクルージョンに優先的に取り組める。
- Diversity Dashboard with Oracle Fusion HCM Analytics:人事の意思決定者にパーソナライズされたビジネスアナリティクスを提供することで、データの可能性を広げる。50以上の人事向けKPI、ダッシュボード、各種レポートなどの機能を備えたOracle Analytics for Cloud HCMにはDiversity Dashboardも搭載されており、主要なデータや傾向を抜き出して表示し、人事部門による従業員データの分析を強化して、職場におけるダイバーシティ&インクルージョンの実現に向けた取り組みに役立てることができる。