総合人事・人材サービスを展開するアデコは、人材派遣およびアウトソーシング事業の同社のブランド「Adecco」において、企業間の人材出向および外部人材受け入れを支援することで、人材育成と事業成長を促進するソリューションサービス「CAREER BRIDGE」(キャリアブリッジ)の提供を開始した。
CAREER BRIDGEは、OJTをはじめとする従来の社内トレーニングの枠を超えて人材育成を図りたい企業と、事業成長のために即戦力人材を求める企業を、人材戦略に関するコンサルティングを行った上でマッチングし、「在籍型の出向」という形で外部企業への人材の送り出しおよび外部人材の迎え入れを支援するサービス。Adeccoが仲介をした2社がダイレクトに出向契約を結ぶ「ダイレクト出向モデル」と、Adeccoが人材の送り出し企業と出向契約を結んだ上で受け入れ先企業と派遣契約を結び、人材を送り出す「出向→派遣モデル」の2つの形態がある。出向する人材に対しては、スキルアップとキャリア開発実現のためのサポートを提供する。出向期間の目安は1年(出向期間は契約ごとに異なる)からで、人材は期間終了後に出向元企業へ戻ることを前提に就業する。
労働力人口の減少にともない、企業にはこれまで以上に従業員一人ひとりの生産性を向上させることが求められている。しかし、教育にかけられるコストが限られているほか、最もトレーニング効果が高いとされているOJTも、人員やプログラムの不足で充分に実施できない大手企業が数多く存在する。一方、採用に課題を抱える企業も多く存在し、特に事業成長に必要なスキルを持った即戦力人材の獲得は、長年にわたる課題となっている。
CAREER BRIDGEの活用により、出向元企業は社員育成のための新たな手段を獲得できるだけでなく、形骸化しがちな社内研修・トレーニングとは異なる実践的な訓練の場を社員へ提供することが可能になる。また、出向から帰任した人材が身に付けた新たなスキルやナレッジを社内へ取り入れることで、組織の変革を促すことが可能となる。
受入先企業は、自社の成長に必要なスキルを持つ即戦力の人材を、採用活動にかかるコストを削減しながら迎え入れられる。また、出向人材の持つ知見やノウハウを社内で共有することで、組織文化に変化をもたらすことも可能。出向する人材は、研修ではなく実際の業務を通じて新しいスキルやマネジメント手法を学ぶことができ、社内に留まっていては望めなかったキャリア開発の機会を得られる。