電通国際情報サービス(ISID)は、統合HCM[1]システム「POSITIVE」の販売シェア拡大に向け、従来大企業グループを中心としていた販売ターゲットを中堅規模企業まで拡大する。8月中に、従業員数300名~2000名向けの価格帯を新たにライセンス体系に加えるほか、販売代理店向けには、システム開発・導入・保守をより効率的に行うことを目的としたツール群提供を開始予定。
POSITIVEは、人事管理において基幹となる人事・給与・就業管理に加えて、多様化する企業の人財マネジメントを包括的に支援する統合ソリューション。ISIDおよび販売代理店はこれまで、従業員数2000名を超える大手企業向けにはPOSITIVEを、中堅企業に対しては機能をシンプルにまとめたパッケージ「STAFFBRAIN」を提供してきた。しかし、昨今の事業環境変化に伴い、企業規模を問わず企業グループでの戦略的人事マネジメントの重要性が高まっていることを踏まえ、POSITIVEの販売対象を中堅企業向けに拡大するという。
また同時に、POSITIVEの開発・導入・保守の生産性をより高めることを目的として、販売代理店およびユーザー向けに新たな開発プラットフォームや各種ツール群の提供を順次開始するほか、昨今要望が多いPOSITIVE導入のためのクラウド基盤の拡充などを実施する。
新施策の概要は以下のとおり。
(1)ライセンス体系改定、サブスクリプション形式での提供開始
従来のライセンス体系では対象人数2000名以上からだったが、今回300名以上のライセンスモデルを新設。また2000名以下については、従来からのライセンス買い取り形式に加え、新たにサブスクリプションモデルの提供を開始する。 最小構成:1モジュール 年額72万円(税別)<300名>~ ※導入費用は別途(個別見積り)
(2) 開発・導入・運用の生産性向上ツールPOSITIVE OPTIMUSシリーズの提供
POSITIVEの開発・導入・保守の生産性向上を目的とした独自開発プラットフォームとツール群「POSITIVE OPTIMUSシリーズ」を販売代理店などの導入パートナー向けに展開。第1弾として今般提供開始する「POSITIVE OPTIMUS-Development」は、独自の開発プラットフォームで、ユーザー独自の業務プロセスに対応する個別プログラムを標準機能から自動的に呼び出すことを可能にする。パッケージのバージョンアップの影響を受けにくいため、開発・保守コストの大幅な削減が可能で、柔軟な業務プロセス設計を実現する。
同シリーズは、導入・開発・保守の生産性向上により、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進においてITシステムに求められる迅速な変化対応力を高める。このような製品競争力強化により、販売代理店とともに大手・中堅企業への導入を加速させる。
(3)クラウド対応強化
POSITIVE、STAFFBRAINはオンプレミスとクラウドの両方に対応している。これまでのアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)上での提供に加え、新たにOracle Cloud Infrastructure(OCI)上での提供に対応。
(4)スマートフォンなどから利用可能なスマートデバイス対応モジュールの機能強化
POSITIVE、STAFFBRAINのオプション機能であるスマートデバイス対応モジュールにおいて、従業員からの申請業務の対応範囲拡大や従業員本人や部下の人事情報の参照範囲拡大などの機能強化を行う。企業において拡大する働き方の多様化・リモートワークの運用をより強力に支援する。
注
[1]: Human Capital Managementの略。企業等の組織における従業員を経営資源と捉え、人に関連する情報や活動などを統合的に管理する経営手法。