リクルートは、同社が運営する転職支援サービス「リクルートエージェント」利用の企業を対象に、上半期の中途採用充足状況および下半期の中途採用計画、オンライン面接の活用状況についてアンケート調査を実施し、結果を発表した。調査期間は2021年7月26日~8月6日で、1万3041社から回答を得ている。
1. 2021年度上半期の中途採用充足状況
2021年度上半期の中途採用充足状況について、1万3041社のうち、中途採用充足率が100%以上である採用充足企業は全体の17.7%だった。採用未充足企業(100%未満)は70.5%で、そのうち採用充足率50%未満の企業は46.1%だった。また、採用計画なし(採用計画0人)の企業は全体の11.8%だった。なお、中途採用充足率は2021年度上半期(4月~9月)の中途採用計画人数および中途採用実績人数(入社ベース)をもとに算出している。
採用充足企業(100%以上)の割合が高い業界は、化学業界(24.0%)、消費財業界・総合商社(22.9%)、金融業界(22.4%)などだった。反対に採用充足企業(100%以上)の割合が低い業界は、インターネット業界(10.4%)、IT通信業界(13.1%)、コンサルティング業界(15.5%)などだった。
2. 2021年度下半期の中途採用計画
2021年度下半期の中途採用計画について、同調査では2021年度下半期(21年10月~22年3月)の中途採用予定の最少人数および最多人数を確認。そのうちの最少人数を中途採用計画とみなして集計を行った。なお、最少人数が「0人」であっても、最多人数が「1人以上」である場合があるため、集計では「採用計画なし」のカテゴリは設けず「4人以下」に含めている。
全体では下半期の中途採用計画を「4人以下」としている企業が多数だった(79.9%)。これは、回答企業の55.0%が従業員規模「99人以下」であること、さらに上記のように中途採用予定の最少人数を中途採用計画としていることが主な要因と考えられる。
「4人以下」の割合を見ていくと、特にインターネット業界(54.8%)やIT通信業界(67.7%)が低く、「5人以上」の割合が高くなっている。また、従業員規模別では、従業員規模が大きくなるほど「4人以下」の割合が低くなり、「5人以上」の割合が高くなっている。特に従業員規模が5000人以上の企業では、9.1%が「100人以上」の中途採用を計画していることが分かった。
3. オンライン面接の活用状況
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、企業はオンライン面接の活用を進めている。同調査でオンライン面接(Webまたは電話を利用した面接)の活用状況を確認したところ、全体の63.6%の企業がオンライン面接を活用していると回答した。また、11.6%の企業では採用活動を全てオンライン面接で実施していることが分かった。
オンライン面接活用の理由としては、「社会状況的に対面は適切でないため」の選択率が最も高く(64.7%)、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が見られる。また、「日程・場所等社内調整が柔軟になるため」(52.6%)や「対面で会えない候補者と面接出来るため」(49.5%)といったオンライン面接の特徴を活かした理由も、約半数が選択している。
業界別では、インターネット業界やIT通信業界が積極的にオンライン面接を活用している様子が分かる。特にインターネット業界では、38.6%の企業が採用活動を全てオンライン面接で実施。一方で、建設・不動産業界や公共インフラ・官公庁では、約半分の企業がオンライン面接を活用しているものの、他業界に比べると「対面のみ」の割合が高いことが分かった。