学情は、企業の採用担当者を対象に、「中途採用」に関するインターネットアンケートを実施した。調査期間は2021年10月20日~25日。549名から回答を得ている。
新型コロナウイルスの感染が減少傾向となり、緊急事態宣言が解除されたことから、これまで採用を縮小していた飲食や観光などサービス業界でも、採用を強化する動きが広がっている。また、人流の抑制が緩和され、景気が回復傾向にある中、企業の採用意欲は旺盛になっている。学情は、このように採用拡大に踏み切る企業が増えていることを受け、中途採用の計画や、中途採用で入社した社員の戦力化・定着に関して調査した。
アンケートの結果、中途採用の計画について、「拡大する予定」「どちらかと言うと拡大する予定」の回答が50.7%となった。半数超の企業が、中途採用を拡大する予定であることが分かる。「拡大しない予定」「どちらかと言うと拡大しない予定」の回答は13.8%にとどまり、「拡大する予定」が「拡大しない予定」の3.6倍になった。景気の回復やコロナ後を見据えて、採用人数を増やす企業が増えており、中途採用における人材の獲得競争はより激しさを増すと考えられる。
また、中途採用を拡大する理由は「即戦力採用のため」が69.1%で最多となった。次いで「事業拡大のため」59.7%と続いている。「人材獲得競争が再スタートする前に、優秀な人材を採用したい」「景気の回復を見据えて、中途採用を拡大したい」といった声が寄せられた。
中途採用で入社する社員に入社前に実施している、実施したいフォローは、「職場見学」が45.9%で最多。次いで、「入社後に上司や同僚となる現場の社員と話す機会」42.6%と続く。職場を見たり、上司や同僚、役員と話す機会を設けたりすることで、転職希望者に社風を理解してもらい、ミスマッチのない採用をしたいと考える採用担当者が多いと推察される。
20代の転職経験者を対象にしたアンケートでは、「転職活動の際に、あると良かったと思う機会」で、「職場見学」が上位にきており、実際に転職をした人が「欲しかった」と思うフォローと、企業が実施(実施したいと考える含む)しているフォローが合致していることが分かる。20代の転職経験者アンケートで次に続く項目は、「実際に仕事を体験できる機会」や「中途で入社した社員と話す機会」が上位に並ぶ結果となっている。採用担当者は「会社と候補者の相性」をより重視しているのに対し、転職をする本人は「入社後に自身が活躍できそうか」をより重視していると推察される。
中途入社で入社した社員に入社後に実施しているフォローは「中途入社の社員を対象にした研修」が52.8%で最多。次いで、「1on1などのコミュニケーションの場の設定」31.5%と続く。「特にない」の回答は27.7%にとどまっており、7割以上の企業は、中途採用で入社した社員に対して、何らかのフォローを実施していることが分かる。