同調査 2018年版発表のニュースがこちらにあります。
この調査結果は、米Global Knowledge Training LLC.(以下、グローバルナレッジ)が発表した調査レポートの日本語抄訳版。グローバルナレッジは、エンジニアの給与と保有するIT関連資格について2011年より毎年調査を行い、その結果を発表している。
2017年版のランキングからは、次の内容が見て取れる。
- 上位5位のうち3つがセキュリティ関連の資格
- 上位6つの資格は昨年と同じくセキュリティ、AWS、PMP関連
- セキュリティとクラウド/仮想化に関する資格がそれぞれ4つずつランクイン
- 11位までの年収は10万ドル(およそ1200万円)を超える
これらのトレンドから、セキュリティおよび仮想化に関連する資格が現在のIT業界において、大きな需要となっていることがわかる。なお、2016年版ランキングの1位は「AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイトレベル」で、今年は3位にランクインしている。
発表されたTOP 15の資格は次のとおり。
トップ3の資格試験概要と競争力の要因
1位のCRISCは、ITプロフェッショナルやプロダクトマネージャー、また情報システムコントロールを通して、ITやビジネスリスクを特定・管理する業務に携わる人向けの資格で、ISACAという非営利団体が提供・管理している。資格の取得には、試験がカバーしている分野のうち、少なくとも2分野で最低3年の経験を必要とし、かつ試験に合格しなくてはならない。また、資格を維持するには、継続専門教育(CPE)クレジットが毎年必要となる。CRISCの取得には、努力の継続と長期的な計画が必要となるが、全世界で2万人を超える資格保持者のうち、96%が資格を維持しているという。
グローバルナレッジはCRISCに対する競争力の要因を、この分野の技術を持つ専門家に対する需要と相対的に少ない資格保持者の供給とのバランスにより、ランキングのトップに君臨したと分析する。
2位の公認情報セキュリティマネージャー(以下、CISM)は、1位のCRISCと同じくISACAが提供・管理する資格で、マネジメント層を対象とし、セキュリティ戦略とシステムおよびポリシーの評価に焦点を当てたもの。CISM認定取得には、5年以上の情報セキュリティ分野での経験が必要となり、そのうち3年以上のセキュリティマネージャーの経験が要求される。
グローバルナレッジはCISMに対する競争力の要因を、CRISCと同じく需要と供給にあると分析する。2002年に資格が開始されて以来、3万2000人以上が認定を取得しているとのこと。
3位のAWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイトレベル(以下、ASA)は、AWS(アマゾン ウェブ サービス=AWS)は、Amazon.comにより提供されるクラウド型ウェブサービス。仮想サーバーやオンラインストレージなどを提供しており、ASAはAWSのシステム設計、デプロイにおける専門知識を証明する。今回の調査によると、現在有効な5つのAWS資格の平均年収は12万5591ドルと、すべてが10万ドル以上になっている。
グローバルナレッジはこの資格の競争力の要因を、認定者が1万人以上(Q&Aサイト「Quora」調査による)いるが、AWSプラットフォームの人気や普及度から考えると少ない数字であることから、昨年の1位に続き、2017年も認定者の年収を押し上げていると分析する。
日本での人気資格は?
なお、グローバルナレッジネットワークは、同時に日本で提供している資格対応コースの人気ランキングを受講者数から集計したものを発表している。トップ8は次のとおり(集計期間は2016年1月1日〜2016年12月31日、定期開催コースのみ)。
- CCNA Routing & Switching
- プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)
- CCNP Routing & Switching
- AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイトレベル(ASA)
- MCSA:Windows Server 2012
- VCP
- ITIL
- AWS認定Sys Opsアドミニストレーター
1位のCCNP Routing&Swichingは、2016年に更新があった試験。また、2位のPMPは2017年第3四半期にPMBOK 第6版への更新が予定されている。