「ニトリのインターンを受けたほうがよい」と学生に広まった理由
齊藤琢真氏(以下、齊藤) 6年連続1位獲得おめでとうございます。なぜ貴社のインターンシップは、多くの学生から支持されているのでしょうか。
天野隆太氏(以下、天野) 就職活動を始めたての学生と、「自分は何をしたいのか」というところからいっしょに考えているからだと思います。キャリアを考えるとき、一般的には将来自分がなりたい姿(WILL)、それに向けてできること(CAN)、すべきこと(MUST)という3つの要素があるといわれています。多くの企業では、職業体験を通じたインターンシップでCANを伝える傾向にありますが、私たちはWILLに力を入れているのです。

たとえば当社のインターンシッププログラム「自分発見講座」では、学生が将来どうありたいのか、自身の過去の原体験を振り返りながらいっしょに考えています。そして、自分のなりたい姿が見えてきた学生には、次のステップとして就業体験型のインターンシップを用意しています。ここで企業理念に共感いただければ、さらに深い関わりを持ってもらう。このように段階的に設計しています。
そのため、ありがたいことに、インターンシップに参加した学生を中心に、「就活を始めるときはニトリのインターンシップからスタートしたほうがよい」という口コミが広がっているようです。
齊藤 WILLを固めきれていない学生が多い中で、とても価値のある取り組みだと思います。年間3万人以上の学生が貴社のインターンシップに参加されているようですが、これほど多くの学生を受け入れているのはなぜなのでしょうか。
天野 前提として、私たちの目的は数を追うことではありません。そのうえで、「機会を逃したらインターンシップに参加できない」といった事態を避けるため、常にプログラムを用意しています。キャリアを考えることに重点を置いた大学1~2年生向けの低学年インターンシップだけでなく、就活直結型インターンシップも、3年生から翌年2月ごろまで継続的に実施しています。その結果として、年間を通じて多くの学生に参加いただいているという状況です。
ちなみに、当社の採用選考には年間14万人ものエントリーがあります。日本の就職希望学生はだいたい45万人だといわれていますから、約3人に1人から興味を持っていただいている計算になります。これはBtoCの企業として、非常に大きなチャンスだと考えています。つまり、14万人もの若い世代に「ニトリは住まいを豊かにしたいと思っている会社だ」「そのために企画から製造、販売まで一貫して自分たちで手がけている」ということを知ってもらえる機会でもあるのです。

今後も、より多くの方にニトリという企業の理念や在り方を知ってもらえる機会として、インターンシップの間口を広げていきたいと考えています。