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ドラゴン大竹のLPICレベル1 弱点克服クラス(Ver 4対応)| 第1回

【LPICレベル1】弱点「systemdによるサービスとターゲットの制御」を克服する


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systemdによるターゲットの管理

systemdは個々のサービスの管理とともに、SysVinitのランレベルに相当するターゲット(target)を管理します。

systemdが管理するSysVinitのランレベルに相当するターゲット(target)
systemdターゲット SysVinitランレベル 説明
default.target デフォルトランレベル デフォルトターゲット
poweroff.target ランレベル 0 電源オフ
rescue.target ランレベル 1 レスキューモード
multi-user.target ランレベル 3 マルチユーザモード
graphical.target ランレベル 5 グラフィカルモード(マルチユーザ+GUI)
reboot.target ランレベル 6 システム再起動

システムの起動時のシーケンス

システムの起動時にsystemdはdefault.targetをスタートします。通常、default.targetはgraphical.targetまたはmulti-user.targetへのシンボリックリンクです。default.targetはsystemctlのサブコマンドget-defaultで表示、set-defaultで変更ができます。

実行例:デフォルトターゲットの変更
# systemctl get-default ← デフォルトターゲットを表示
graphical.target

# systemctl set-default multi-user.target ← デフォルトターゲットをmulti-userに変更
rm '/etc/systemd/system/default.target'
ln -s '/usr/lib/systemd/system/multi-user.target' '/etc/systemd/system/default.target'

ブートローダのカーネルコマンドライン オプションsystemd.unitによって、systemd.unit=multi-user.targetのように指定することもできます。この場合はdefault.targetのシンボリックリンクより優先されます。

現在のターゲットの変更(ランレベルの変更に相当)

現在のターゲットを変更するには、サブコマンドisolateを使用します。isolateは指定したターゲットおよびターゲットが依存するunitをスタートし、新しいターゲットでenableに設定されていない他のすべてのunitをストップします。

実行例:現在のターゲットの変更
# runlevel  ← 現在のターゲット(最後にロードされたターゲット)を確認
N 5    ← 最後にロードされたターゲットはgraphical.target(ランレベル5)

# systemctl isolate multi-user.target  ← multi-user.targetに変更(「init 3」でも可)

# systemctl isolate graphical.target  ← graphical.targetに変更(「init 5」でも可)

# systemctl isolate poweroff.target  ← poweroff.targetに変更(「init 0」でも可)

# systemctl isolate reboot.target  ← reboot.targetに変更(「init 6」でも可)

以下はそれぞれ、レスキューモード、マルチユーザモード、グラフィカルモードで立ち上げたときの画面の例です。

実行例:レスキュー(rescue)モードで立ち上げ
Welcome to rescue mode! Type "systemctl default" or ^D to enter default mode.
The "journalctl -xb" to view system logs. Type "systemctl reboot" to reboot.
Give root password for maintenance
(or type Control-D to continue):

上記の画面で、rootユーザのパスワードを入力してログインします。

実行例:マルチユーザ(multi-user)モードで立ち上げ
CentOS Linux 7 (Core)
Kernel 3.10.0-229.el7.x86_64 on an x86_64

lpic-1 login:
実行例:グラフィカル(graphical)モードで立ち上げ
実行例:グラフィカル(graphical)モードで立ち上げ

以下に示すGRUB2の画面は、カーネルオプションにレスキューモードの指定を追加して起動する例です。

実行例:GRUB2の起動画面
実行例:GRUB2の起動画面
実行例:カーネルオプションにレスキュー(rescue)モードの指定を追加
実行例:カーネルオプションにレスキュー(rescue)モードの指定を追加

レスキューモードの指定を追加するには、起動直後に[e]キーを押して編集モードに入った後、カーネルオプションにsystemd.unit=rescue.targetを追加します。1行に収まらない場合には自動的に行末に「\」が挿入され、続けて次の行に入力できます(systemd.unit=rescue.targetと指定する代わりに、SysVinitの場合と同じく1を指定することも可能)。レスキューモードの指定を加えた後、[Ctrl-x]キーを押して起動します。

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この記事の著者

大竹 龍史(有限会社ナレッジデザイン)(オオタケ リュウシ)

有限会社ナレッジデザイン 代表取締役。1986年 伊藤忠データシステム(現・伊藤忠テクノソリューションズ(株))入社後、Sun Microsystems社のSunUNIX 3.x、SunOS 4.x、Solaris 2.xを皮切りにOSを中心としたサポートと社内トレーニングを担当。1998年 (有)ナレッジデザイン設立。Linux、Solarisの講師および、LPI対応コースの開発/実施。約27年にわたり、OS の中核部分のコンポーネントを中心に、UNIX/Solaris、Linuxなどオペレーティングシステ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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