その他のオプション
さて、dpkgコマンドのオプションやサブコマンドは、ここまでに紹介してきた以外にもたくさんあります。全てをここに記載することはできませんので、よく使われるものをピックアップして紹介します。
dpkgコマンドのその他のオプション
dpkg -L XXXX
- 「XXXX」パッケージのファイルを一覧で表示します。
l
(小文字のエル)オプションと間違えないようにしましょう。 dpkg -S XXXX
- 「XXXX」という文字が含まれているパッケージを検索します。
dpkg --ignore-depends=XXXX -r XXXX
- 「XXXX」パッケージの依存関係を無視してアンインストールします。
apt-cacheコマンドのその他の使い方
apt-cache search XXXX
- 「XXXX」というワードでパッケージを検索するコマンドです。
apt-cache showpkg XXXX
- 「XXXX」パッケージの情報を表示するコマンドです。バージョン、依存関係、非依存関係を表示してくれます。
apt-getコマンドのその他の使い方
apt-get update
- パッケージリストの更新を行います。
upgrade
オプションと間違えやすいので注意しましょう。 apt-get upgrade
- インストールされているパッケージの更新を行います。
update
オプションと間違えやすいので注意しましょう。なお、特定のパッケージだけアップデートしたいときにはapt-get install XXX
とすればOKです。
さらに、前回解説したrpm
コマンド、yum
コマンドとも、オプションやサブコマンドを区別できるように、正確に覚えておきましょう。代表的な操作とそれを実行するコマンドの比較表を掲載しておきます。
操作 | rpmコマンド | yumコマンド | dpkgコマンド | apt-○○コマンド |
---|---|---|---|---|
パッケージをインストールする |
rpm -ivh |
yum install <パッケージ名> |
dpkg -i |
apt-get install <パッケージ名> |
パッケージをアンインストールする | rpm -e <パッケージ名> | yum remove <パッケージ名> | dpkg [-r|-P] <パッケージ名> | apt-get [remove|purge] <パッケージ名> |
パッケージを更新する |
rpm -Uvh |
yum update <パッケージ名> | (なし) | apt-get install <パッケージ名> |
パッケージを検索する | - | yum search <検索文字> | (なし) | apt-cache search <検索文字> |
パッケージ情報を表示する | rpm -qi <パッケージ名> | yum info <パッケージ名> | dpkg -s <パッケージ名> | apt-cache showpkg <パッケージ名> |
インストール済みのパッケージ一覧を表示する | rpm -qa | yum list installed | dpkg -l | (なし) |
その他に覚えておきたいコマンド
dpkgおよびAPT関連でdpkg
、apt-get
、apt-cache
以外に覚えておきたいコマンドは、dpkg-reconfigure
とaptitude
です。
dpkg-reconfigureコマンド
dpkg-reconfigure
は、インストールされているパッケージの設定を対話的に行うことのできるコマンドです。ダイアログの中から項目を指定していけば再設定が行えるので便利です。
次のようにパッケージを指定して実行すると、そのパッケージの設定項目を指定するダイアログが表示されます。
# dpkg-reconfigure cups
aptitudeコマンド
aptitude
は、apt-get
コマンドやapt-cache
コマンドのようにコマンドライン上での操作だけでなく、インタラクティブな操作も可能なパッケージ管理コマンドです。細かな違いはあるものの、サブコマンドはapt-get
やapt-cache
とほどんど同じなので、使い方はあまり変わりません。
aptitude install XXXX
- 「XXXX」パッケージをインストールする。
aptitude remove XXXX
- 「XXXX」パッケージをアンインストールする(設定ファイルは残す)。
aptitude purge XXXX
- 「XXXX」パッケージをアンインストールする(設定ファイルも)。
サブコマンドを付けずにaptitude
だけ実行すると、次のように表示が変わり、インタラクティブにパッケージを操作することができます。
dpkg-reconfigure
とaptitude
の2コマンドはよく試験でも問われるので、スペルも含めて覚えておきましょう。
apt-getの設定ファイル
最後に、設定ファイルを覚えておきましょう。YUMがリポジトリ情報を「/etc/yum.conf」ファイルに記述していたように、APTも/etc/apt/sources.listファイルに設定を記述します。
/etc/apt/sources.listファイルの中では次の2行をセットとして、各リポジトリURLを指定しています。
deb http://…… deb-src http://……
この設定ファイル/etc/apt/sources.listも試験でもよく問われます。ファイル名(sources.list)だけでなく、絶対パスで覚えておいてください。