採用活動において、最もメジャーな手法である求人媒体への掲載。求職者がまず目を通すサービスであり、自社が採用活動を行っていることを知ってもらえるチャンスは大きく広がる。一方で、求人媒体に掲載していても、応募数がなかなか増えないという悩みを持つ企業は少なくない。そこには、求人媒体を見て応募するまでの間に、企業が応えられていない「求職者の欲求」があるという。本記事では、Web制作会社であり、数多くの採用サイトを制作してきたソフトコミュニケーションズ株式会社の石村裕史氏が、その欲求と採用サイトの有効性を解説する。
良い人材、採れていますか?
近年、採用現場において売り手市場が常態化しています。厚生労働省が発表している「労働経済の分析」によると、2009年を境に求人倍率が上昇し、コロナパンデミックのあった2020年は一時的に低下しますが、2023年度は1.31倍と増え、求職者よりも求人企業が多い傾向は今後も変わらないことが予想されています。
また、帝国データバンクが取りまとめている「人手不足に対する企業の動向調査(2024年7月)」では、正社員の人手不足割合が全体で51%に達し、業界別に高い順に見ると、「情報サービス」(71.7%)、「旅館・ホテル」(71.1%)、「建設」(68.0%)と、たいへん高い状態です。
さらに、女性やシルバー人材の拡大により労働力人口自体は増えているものの、「生産年齢人口(15~64歳)」自体は1990年代をピークに減少を続けています[1]。女性やシルバー人材をメインで雇用できない業種・業界では今後、この人材不足の環境下でどれだけ良い人材を確保できるかが課題となるでしょう。
こうした背景もあってか、Web制作会社である当社には、クライアントの業種・業界を問わず、「良い人材を採りたいがなかなかうまくいかない」「何か良いツールはないものか」といった切実なお悩みが多く寄せられます。
求人媒体を見た後に生まれる欲求とは
企業を取り巻く環境は年々厳しくなる中、いま現在において最もメジャーな採用手法は何でしょうか。
おそらく、多くの企業が「求人媒体」と答えるかと思います。大手の求人媒体に出稿し、会社説明会や面接への応募を見込んでいるのではないでしょうか。もちろん新卒者や中途求職者を集客するという意味では、有効な手段であることは間違いありません。しかし、そこから先に「採用活動成功への別れ道」があると筆者は考えています。
ここで、当社が現役大学生にとったアンケートのデータを見てみましょう。これによると、就活において企業の情報収集に利用しているメディアは、高い順に「就活媒体」(81.9%)、「採用サイト」(64.8%)、「会社説明会」(45.7%)、「コーポレートサイト」(36.2%)となっています。
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学生が企業にエントリーするまでには、求人媒体→採用(求人)サイト→会社説明会というフローが想定されます。アンケートからも、学生が「ここは良さそうだな」と企業に興味を持ったとき、応募する前に「もっと企業について知りたい」という欲求が発生していることが分かりました。つまり、求人媒体からすぐに会社説明会や面接への応募があるとは考えにくく、学生はより深い情報(求人媒体以外の情報)を求めて動きます。また、その際には必ず公式情報を確認します。
あくまでこれは一大学でのアンケートではありますが、学生ひいては求職者の情報収集の傾向として、参考になるのではないでしょうか。
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石村 裕史(イシムラ ユウジ)
ソフトコミュニケーションズ株式会社常務取締役
HRtech事業部長 人事部長大手建設系メーカー、大手経営コンサルティング会社勤務を経て2008年より現職。「人事はTOPセールスが行うべき」という考えのもと、現在自社の人事部長も兼任。良い人材を採用することと、良い顧客を獲得することに共通項を見出し、多角的な視...
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