企業が「伝えた」と思っていても、求職者には「伝わっていない」
第1回では、コーポレートサイトと採用サイトの違いに言及し、学生の就活行動パターンから見た採用サイトの重要性をお話ししました。学生は、求人媒体を見て興味を持ち、採用サイトを見ながら企業研究して、会社説明会などに応募する、という流れで就活を進めることが理解できたかと思います。
しかし、いまだ多くの企業が、次のような学生側の行動パターンとマッチしない採用活動を行っているのを目にします。
- 就活媒体から会社説明会へ誘導しようとしている
- 就活媒体からコーポレートサイトへ誘導しようとしている
ここで、リクルートの就職みらい研究所が公開した『就職白書2023』のデータをご確認ください。
次図では、「企業が提供した情報(青いグラフ)」と「学生が知ることができた情報(オレンジのグラフ)」を各項目で比較しています。企業と求職者で大きいギャップがあることを感じていただけると思います。
つまり、企業は「伝えた」と思っていても、求職者にとっては「伝わっていない」情報がたくさんあるということなのです。みなさんの会社では、求職者が知りたい情報をしっかりと伝えられているでしょうか。
「伝えたか」ではなく「伝わったか」が大切
コミュニケーションにおいて大切なのは、「いかに伝えたか」ではなく、「いかに伝わったか」です。
売り手市場のいま、企業が求職者の求めている情報を正しく理解し、彼らが求めている情報を開示しなければ、コミュニケーションのギャップは埋まらず、採用活動の成功は見込めません。
まずは、求職者がどのような情報を欲していて、自社はどのような情報を伝えられるのかを、改めて真剣に考えることから始めましょう。