「定期的な人事面談」がキャリア入社者のパフォーマンスを高める
では、企業はどのようなオンボーディング支援策に力を入れたらよいのでしょうか。リクルート「中途入社後活躍調査 第1弾」によれば、意外に思われるかもしれませんが、受け入れ施策のなかで、パフォーマンスへの影響が最も大きかったのは「定期的な人事との面談」でした。定期的な人事面談が、キャリア入社者のパフォーマンスを高めるのです。
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さらに、同社「中途入社後活躍調査 第2弾」によれば、人事によるキャリア入社者へのケアは「入社前」がカギとなることが分かりました。パフォーマンス発揮者の割合を見ると、入社前のコミュニケーションがあったキャリア入社者は半数前後がパフォーマンスを発揮していましたが(入社後の面談あり50.5%、入社後の面談なし42.6%)、入社前のコミュニケーションがなかったキャリア入社者は、パフォーマンスを発揮する度合いが20ポイント以上低くなっていました(入社後の面談あり28.1%、入社後の面談なし22.7%)。入社前に人事とコミュニケーションを取った人のほうが明らかにパフォーマンスを発揮する確率が高かったのです。
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コミュニケーションを内訳別に確認すると、特に、人事が「入社後に想定される疑問や不安を解消する情報を、隠すことなく開示してくれた」「入社を検討する上で十分な情報を得たか確認してくれた」と感じた人は、そうでない人よりも活躍する可能性が格段に高くなっていました。人事がキャリア入社者の入社前にさまざまな情報を提供し、不安や疑問を十分に解消したり、手厚くケアしたりすることが大切なのです。
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⼊社直後から入社5ヵ月目までに⼈事⾯談をすると、高いパフォーマンスを発揮する可能性が高まるという調査結果もありました。パフォーマンス発揮者の69.7%は入社5ヵ月目までに人事面談をしていましたが、パフォーマンスを発揮しなかった人が入社5ヵ月目までに人事面談をした割合は44.8%にとどまっていました。キャリア入社者の入社前から入社後5ヵ月目までは、人事面談を積極的に実施することをお勧めします。
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「定期的な上司面談」が離職意向度を下げ、パフォーマンスを高める
一方で、キャリア入社者の受け入れ施策の中で、離職意向度を最も下げるのは「定期的な上司との面談」でした。また、定期的な上司との面談は、彼らのパフォーマンス向上にも寄与していました。やはり上司面談には確かな効果があることが裏付けられました。
リクルート「中途入社後活躍調査 第2弾」によれば、雑談も含めて、キャリア入社者が上司と一定量のコミュニケーションを取ることが、離職意向度・パフォーマンスの両方に良い影響を与えることが分かりました。上司はキャリア入社者と頻繁に話したほうがよいのです。
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また、会話の質に関していえば、会社や組織の方針の意義、自分の役割・目標の意義についての会話が特に効果的であることが判明しました。キャリア入社者の多くは、一定レベルの仕事経験と専門性をもって入社します。そのため、細かい進捗管理や成果報告よりも、組織方針や仕事内容の意味・価値などについて対話するのがよいでしょう。