マイナビは、全国の企業・個人を対象に実施した、「中途採用・転職活動の定点調査(2024年10〜12月)」の結果を発表した。
【企業】2024年の平均中途採用実施率は41.9%
2024年12月の企業の中途採用実施率は41.2%で、2024年の年間平均は41.9%となった。直近1年間の中途採用実施率の推移を見ると、3ヵ月平均の推移は減少傾向にある。
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業種別では、2024年12月に最も中途採用実施率が高かったのは「IT・通信・インターネット」で53.0%、次いで「運輸・交通・物流・倉庫」が49.6%となった。2024年の年間平均でも「IT・通信・インターネット」の中途採用実施率は最も高い52.4%となり、成長産業のIT業界で即戦力となる人材の確保が急務であると推測されるという。
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【個人】2024年の平均転職活動実施率は3.5%
2024年12月の個人の転職活動実施率は3.4%で、2024年の年間平均は3.5%となった。月次推移では、2023年10月から2024年1月にかけて実施率は減少しており、前年の2023年平均からも0.8ポイント減少が見られる。この変化は、企業側の待遇改善や副業実施の促進により、転職以外の選択肢の多様化が影響している可能性があるという。
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年代別では、2024年12月に最も転職活動実施率が高かったのは30代の5.1%で、2024年の年間でも30代が4.7%で最も高い結果となった。2022年、2023年においては20代の転職活動実施率が高い傾向だったが、今年は20代の転職活動実施率の減少が見られた。20代は特に初任給の引き上げや賃上げを経験している可能性があり、転職活動を控える人もいると推測されるとのことだ。
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転職を考える20代正社員の3人に1人以上が「副業を実施中」
前月に転職活動をした人と、今後3ヵ月で転職活動をする予定の20〜50代正社員に副業の実施状況を聞いたところ、全体の4人に1人にあたる25.1%が「副業を実施中」と回答した。また、「副業の実施検討中」を含めると、76.2%が副業に前向きな姿勢を示していることが分かった。
年代別では、「副業を実施中」の割合が最も高かったのは20代で35.4%、次いで40代が25.7%だった。前問で20代の転職活動実施率が減少していることが分かったが、副業実施率の高さも影響している可能性があるとしている。
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副業人材受け入れ率は36.6%で、前年から2.1ポイント増加
前月採用活動を行った・または今後3ヵ月で採用活動を行う予定の中途採用担当者に対して、副業人材を受け入れているかを聞くと、全体の36.6%が「受け入れている」と回答した。前回調査から「受け入れている」が2.1ポイント増加し、「受け入れたいと思っていないため、検討していない」が25.6%で5ポイント以上減少していることから、企業側の副業人材受け入れが進んでいることが分かる。また、従業員規模が大きいほど副業人材の受け入れ率が高い傾向が見られた。
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副業人材を受け入れている・または受け入れたいと考えている中途採用担当者に対して、副業人材を受け入れて得られる効果・期待している効果を聞くと、「数的な人材不足の解消」が53.8%で最も多い結果となった。「受け入れている」「受け入れたいと思っている」と回答した人が、ともに「数的な人材不足の解消」を最も多く挙げており、副業人材によって人材不足の解消ができると考える中途採用担当者は今後も増加する可能性があるという。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:2025年1月6~9日
- 調査機関:Webアンケート調査(調査主体:マイナビ、アンケートモニター提供元:外部調査会社)
-
調査対象<企業>:
- スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人
- 本調査対象:上記のうち、前月採用活動を行った人、今後3ヵ月で採用活動を行う予定の人、直近3ヵ月に中途入社者がいた人
-
調査対象<個人>:
- スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20~50代の正社員
- 本調査対象:上記のうち、前月転職活動を行った人、今後3ヵ月で転職活動を行う予定の人、直近3ヵ月に中途入社者がいた人
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有効回答数<企業>:
- スクリーニング調査:5575件
- 本調査:849件
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有効回答数<個人>:
- スクリーニング調査:2万7704件
- 本調査:1368件
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