きっかけは採用面接に来た1人の応募者から
――なぜ、PHP認定技術者試験をエンジニアの育成に活用することになったのですか?
きっかけは、人材採用面接です。あるとき、やる気があることは伝わるのですが、採用の決め手が見つからないという応募者がいました。今回は申し訳ないが不採用だけど、面談時に話題に上った資格試験に合格したらもう一度チャレンジしてくださいと話したんです。そうしたら、本当に合格して再度面接に来ました。
――どの試験に合格してきたのですか?
PHP技術者認定初級試験とLPICレベル1の101試験、102試験です。やる気があるだけではなく、一定水準の知識をマスターしていることを証明してきたんですね。しかも最初の面接後、約1か月半で合格。採用しました。その人が弊社でのPHP技術者認定試験の最初の取得者です。
――そこから資格試験の活用を始めたんですね。
PHP技術者認定試験やLPICレベル1などは、実務に直結する内容を扱っているというのも理由の1つです。試験の範囲に含まれる内容をすべて理解していなければ仕事にならない。なので、採用時に一定の水準を満たしているかどうかを判断する基準になっているし、弊社内でもスキルアップの1つの道しるべになっています。弊社には18名のエンジニアが在席していますが、現在、PHP技術者認定試験初級の取得者が8名、LPICレベル1の取得者が4名になりました。
――PHP認定技術者試験に取り組むことで、どのようなメリットが得られますか?
PHPの基本を体系的に学べて、ちゃんとした実力がつくことです。
弊社が扱うWordPressやPHP[1]は敷居が比較的低く、インターネットでTipsを調べたりコードをコピペしたりすれば、ある程度使えてしまいます。しかし、そういう断片的な知識しかないのでは、とりあえず動けばいいというレベルの案件はともかく、大規模案件では通用しません。セキュリティやパフォーマンスの問題にも対応できないし、自分たちでサービスやシステムを作り出すことはできません。
システムは、すべて基本的な原理を組み合わせたものです。その基本原理の個々の項目を理解していれば、どのようなシステムでも作り上げられます。弊社が開発しているWordPress仮想マシン「KUSANAGI」も、最新のライブラリやツールなどは一切使っていません。標準のPHPやシェルスクリプトで全部書いています。開発環境もVimとターミナルです。
――基本を学ぶことが非常に重要ですね。
体系的に学ぶことが重要です。最近では、現場での対応に追われて体系的に学ぶことが少なくなっています。そうすると、人材も伸びていかないし、ビジネス自体も発展していきません。