PHPの基本を理解しているからこそWordPressを自在に扱える
――御社の業務ではWordPressを深く利用することが必要かと思いますが、PHPを体系的に学んでいるといないとで理解に差はありますか?
全然違います。WordPressはPHPで開発されており、MySQLを利用しています。そのため、WordPressを深く理解するには、PHPやMySQLの基本を理解していなければなりません。基本がわからなければ、WordPressを使うことはできても、活用するところまではいきません。
弊社はWordPressでどのようなシステムでも作りますが、結局はPHPとMySQLなんですね。WordPressはフレームワークとして使っているにすぎない。WordPressのベースとなる部分がわかっているからこそ、それを活用してサーバでも何でも構築できるんです。
――基本がわかっているからこそ、Webサイトの構築以上のことができるというわけですね。
そうです。他のシステムと連携させることもよくありますが、WordPressでできないことはPHPやMySQLで実現します。
あと、基本がわかっている人といない人では、生産性が圧倒的に違います。基本がわかっている人は、問題解決能力が非常に高いです。
――PHPの関数などにも精通することで、生産性や問題解決能力を高められるということでしょうか。
PHPはWebサービスの開発に使われます。PHPを基本から学ぶことで、関数がわかるだけでなく、HTTPのリクエストとレスポンスといったインターネットの仕組みやプロトコルを体系的に学ぶきっかけになります。そうすると、PHPで何が実現できるのか、WordPressなどのフレームワークがどのようなものかがわかってきます。本来、基本がわかっている人がさらに効率を引き上げ、生産性を高めるために使うものがWordPressなどのフレームワークだと思います。
PHPは、他の言語と比べると非常に高機能で、簡単にいろいろなことができてしまうという側面はありますが、言語の体系はしっかりとしています。それを最初から学んでおけば、のちのち苦労することはないでしょう。
最初に基本から学ぶことでキャリアアップも加速
――資格試験はプログラミングを学ぶ目標にもなると思いますが。
資格試験を受ける人が増えると、受かった受からないで序列がついて、それが実務の実力に比例してきます。ベテランはともかく、若手のエンジニアではそういう傾向がある。結局、先に勉強してしっかりと基本を学ぶと、仕事もできようになるということですね。他人よりキャリアを伸ばしたいなら、それが良いモチベーションになります。
――最初に基本から学んだ人の方が伸びるのは早いですか。
早いです。もちろん、キャリアアップも早いですね。それが周囲への良い刺激になります。試験のために学んだことが身に付いて、実力が上がっていく様子を見て、自分も取得しなきゃと思って……と循環して合格者が増えている感じです。
――御社でのPHP認定技術者試験の取得者の割合は?
PHPの開発に関わるエンジニアが対象になっていますが、概ね8割は取得しています。ベテランを除き、若手はほぼ全員です。
――環境が整っているということは大事ですね。PHP認定技術者試験に合格した人には、もともとプログラミング経験があったんですか。
それぞれですね。プログラミングをやっていた人もいれば、Webデザイナーやディレクターからエンジニアに転向した人もいます。
――デザイナーやディレクターから転向した人は、どのくらいの期間でPHP認定技術者試験を取得していますか。
だいたい1か月半ですね。WordPressのテーマはPHPで作られているので、デザイナーでもPHPに触れる機会があります。実務で扱うので、理解は早いです。
――資格試験取得の支援や奨励の制度はありますか。
試験に合格したときの受験料はサポートします。落ちたらなしです。教材は会社のアカウントで購入します。合格したときには、取得した試験のロゴを名刺に入れます。手当はありませんが、社内での昇給やキャリアアップなどの際に評価項目になります。