タバネルは、全国の会社員に「上司の理解とやりがい実態調査」を実施した。
「上司に理解されている」と感じていない会社員は62％
自身は上司に理解されていると感じていると思うか聞いたところ、「あてはまる＋ややあてはまる」（以下、上司理解：高）と回答した割合は38％、「どちらとも言えない＋あまりあてはまらない＋あてはまらない」（以下、上司理解：低）と回答した割合は62％となった。
上司理解が低い層は、高い層に比べ、やりがいを感じていない
上司の理解がやりがいに与える影響について分析した。仕事にやりがいを感じているか質問すると、「あてはまる＋ややあてはまる」と回答した割合は、全体で38％。「上司理解：高」では69％であるのに対し、「上司理解：低」では19％にとどまった。上司の理解が低い層は、高い層に比べ、やりがいを感じていないことが分かる。
上司の理解が低い層では、「やりがい」に対し、目標や仕事の意味に対する「能動的な働きかけ」の優先度が高い
やりがいを感じにくい「上司理解：低」層にとって、どのような行動がやりがいに影響を与えるのかを分析するため、「上司理解：低」のみに限定して、さまざまな行動と「仕事にやりがいを感じる」との相関（関係性の強さ）を調べた。
その結果、個人の目標を理解し、感情や意思を込める「個人目標コミット」が最も高い相関を示した。また、個人目標ほどではないが「チーム目標コミット」も比較的高い相関を示している。さらに、個人目標に次いで高い相関を示した行動はジョブ・クラフティングのうち、「認知的クラフティング」となった。
ジョブ・クラフティングとは、従業員が自らの仕事を主体的に捉え直し、再構成する行動のこと。認知的クラフティングは、その中でも仕事の意味や目的を再解釈する行動を指す。このことから、上司の理解が低い状況下で、やりがいを高めるためにとるべき行動として、目標や仕事の意味に対する「能動的な働きかけ」の優先度が高いことを示唆している。
上司の理解が低い層では、「やりがい」に対し、「上司への働きかけ」は報われにくい
一方で、上司に変わってほしいと働きかけるなど、「上司への働きかけ」は、ほかの行動と比べて報われにくいと言える結果となった。
また、ジョブ・クラフティングのうち、仕事の内容やタスクのやり方を工夫する「業務クラフティング」、同僚や周囲との関係に働きかける「関係性クラフティング」は、ほかの行動と比べて高い相関を示さなかった。
この結果は、上司の理解が低い状況下では、外部や手段への努力を重ねるよりも、目標や仕事の意味といった内側の認知と目的を変えることが、やりがい構築において優先されるべきであることを示唆している。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査の方法：インターネット調査
- 調査対象者：20～59歳の全国の会社員（正社員）
- 有効回答数：600名（男性300人、女性300人）
- 調査実施日：2025年10月7日
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