本連載ではこれまで、ITエンジニアの採用にあたって重要と思われる点を、筆者の経験を交えて紹介してきた。今回はその最終回として、首尾よくITエンジニアを採用した後に、その新入社員をチームに迎え入れて慣れてもらう仕組み作りである「オンボーディング」について考えてみたい。
オンボーディングのねらいと3つの実施事項
オンボーディングを実施するねらいには、職種を問わず、次のような項目が挙げられるだろう。
- 新入社員が早く本来のパフォーマンスを発揮できるようにする。立ち上がりを早くする
- 新入社員と会社の間の期待値の認識を合わせる
- 新入社員と既存社員の間で交流が進み、皆が仲間としての一体感を持てる状態に早く持っていく。新入社員が、会社に帰属意識を持てるようにする
ITエンジニアの場合も、基本的にこの目的感に大きな違いはない。しかし、あえてITエンジニアならではの事情を勘案するなら、次の目的を達成できることがとりわけ重要だといえる。
- 新入社員が「わからないことに向き合う」ことの効率を早く、最高に高める
なぜ、この点が、ITエンジニアのオンボーディングにとってとりわけ重要なのか? それはITエンジニアが、わからないこと、やってみなければ確定しないことと日々向き合う仕事であるからだ。「わからないことに向き合う」ことが仕事の大部分を占めているからこそ、ここの効率を上げることは、大きな効果を生む。
また、オンボーディングで実施すべき事項は、次の3つに分解できる。
- ① インプットを効果的に行う(会社 → 新入社員)
- 会社が期待する働きが何なのかを新入社員に伝え、そのための知識やスキルを伝授し、新入社員が適切な方向に向かってパフォーマンスを出せる状態に導く。
- ② アウトプットを促進する(新入社員 → 会社)
- 新入社員の人となりや価値観、スキルなどをほかの社員が知ることができるようにし、スムーズな交流を促して、チームとして協働できる状態に導く。
- ③ 新入社員を支える仕組みを作る
- インプット(①)やアウトプット(②)を効率的に回し、新入社員に安心感を持って働いてもらえるようにする。
次ページから、上記①~③の事項について順にその具体的な内容を説明する。
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株式会社万葉 大場 寧子(カブシキガイシャマンヨウ オオバ ヤスコ)
株式会社万葉 代表取締役社長。中学からプログラミングを始め、東京大学文学部卒業後、(株)ジャストシステム、ベンチャー企業、フリーランスを経て、2007年に万葉を設立。現役のRubyプログラマとして受託開発を続けている。Rubyアソシエーション評議員。著書『Ruby on Rails逆引きクイックリファレンス Rails 2...
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