人事でサーベイが注目される理由
現代のビジネスにおいて、「データに基づいた意思決定」は重要な要素の1つです。人事部門についても例外ではなく、かつての「勘・経験・度胸(KKD)」といった感覚だけに頼ることはできません。
人事でサーベイが注目される背景・理由には次の3つがあります。
労働市場の変化
人材の流動化が進み、終身雇用が前提ではなくなりました。また、働き方の価値観も多様化しています。企業が優秀な人材を惹きつけ、つなぎとめるためには、多様な価値観を理解し、従業員の体験(EX:Employee Experience)を向上させることが重要です。そのために、個々の従業員が主観として何を感じ、何を求めているのかを正確に把握する必要があります。
人事の役割の変化
人的資本経営の考え方が浸透し、人事はオペレーションだけではなく、経営目標の達成に貢献することも期待されるようになりました。人事施策が従業員のパフォーマンスにどうひも付き、企業や事業の成長に結び付くのかを、客観的な指標を用いて経営と話せることが求められています。サーベイは、従業員のエンゲージメントを指標化し、人事施策の効果を可視化するための役割を担っています。
データ技術の進化
HRテクノロジーの進化でさまざまなツールが開発され、オンライン化によりサーベイの配信や回答、集計のハードルが大幅に下がりました。多くの従業員を抱える大企業であっても効率的にサーベイを実施できるようになり、週次や月次など定期的なサーベイを行って定点観測することも可能になりました。
以上のような背景から、感覚的な人事から、データを起点とした戦略的人事への転換が強く求められるようになり、サーベイの活用が注目されるようになりました。