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社員の「やる気スイッチ」はどこにある? 自律型人材を育む人事の3ステップ | 第2回

「このままでいい」という社員の意識が変わる! 現状と未来のギャップを描く仕掛け

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 前回は、現代の社員が抱える「自律的・主体的なキャリア形成をしたいけれど、同時に求められることにストレスや息苦しさを感じる」という本音について掘り下げました。社員の心を掴むためには、この矛盾した感情を理解し、解消していくことが不可欠です。しかし、いざ「さあ、キャリアを考えよう」と呼びかけても、多くの社員は「今のままでいいかな」と感じてしまいがちです。特に、日々の業務に追われ、現状に大きな不満がない人ほど、未来について考える余裕やモチベーションが湧きにくいものです。今回は、そんな社員の意識に変化を起こすための第一歩、「現状と未来のギャップ」を具体的に描き、自律的なキャリア形成への意欲を高める仕掛けについてご紹介します。

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「このままでいい」という現状維持バイアスを打ち破る

 「現状維持バイアス」とは、人が新しいことや変化を避けて、慣れ親しんだ現状を好む心理傾向のことです。特に、日々の業務で一定の成果を出し、大きな問題もなく過ごしている社員は、「このままでいい」という思考に陥りやすいものです。

 しかし、VUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity)と呼ばれる予測困難なこの時代において、現状維持は後退を意味します。企業が存続し成長していくためには、社員1人ひとりが自ら変化し、成長していくことが求められます。

 この「このままでいい」という状態は、一見安定しているように見えますが、実は次のような心理的な罠にはまっている可能性が高いのです[1]

選択の麻痺(Choice Paralysis)
多くの選択肢があるために、どれを選べばいいか分からなくなり、結局「何もしない」という選択肢を選んでしまう心理です。キャリアの可能性が広がる現代だからこそ、この罠にはまりやすくなっています。
損失に対する嫌悪(Loss Aversion)
新しい挑戦によって何かを失うかもしれないという恐怖が、新しいものを手に入れることへの期待を上回ってしまう傾向です。異動などの変化に伴うリスクを嫌い、慣れている現状にとどまるほうが安全だと判断します。
先行経験(Mere Exposure Effect)
過去に経験した成功体験や慣れ親しんだ環境から離れられなくなる心理です。これまでのやり方や考え方に固執してしまい、新たな学びや成長の機会を自ら手放してしまいます。
サンクコスト効果(Sunk Cost Fallacy)
これまでに費やしてきた時間や労力、お金がもったいないと感じ、非合理だと分かっていても同じ状況を続けてしまう心理です。今のキャリアに投資してきた分、新しい道へ踏み出すことを躊躇してしまいます。
認識の不一致(Cognitive Dissonance)
未知の選択肢に直面したとき、自身の過去の認識と異なるため、不快に感じてしまう心理です。この不快感を避けるために、慣れ親しんだ過去の認識に沿った判断をしてしまいがちです。

[1]: 参考文献:ダニエル・カーネマン著、村井章子訳『ファスト&スロー(下)』(早川書房、2014年)

 これらのバイアスは、無意識のうちに私たちの行動を支配し、「現状維持」という名の「停滞」を招きます。自分では「このままでいい」と思っていても、市場や社会の変化から取り残され、気づけば「このままではいけない」という厳しい現実に直面するリスクをはらんでいるのです。

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社員に「変わる」メリットと「変わらない」デメリットを示す

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社員の「やる気スイッチ」はどこにある? 自律型人材を育む人事の3ステップ連載記事一覧
この記事の著者

山本 りえ(ヤマモト リエ)

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ エグゼクティブコンサルタント。社会保険労務士として中小企業の人事・労務支援に従事した後、株式会社リクルートマネジメントソリューションズにて、コンサルタントとして幅広い業種やテーマに対して企業変革支援を行い、プロジェクトで関わった企業数はのべ200社を超...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://hrzine.jp/article/detail/7102 2025/10/30 08:00

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