コーナーは、入社1〜3年目のZ世代で「1度は辞めたい」と思ったことがある人を対象に、「職場の継続・退職意向と期待ー実態ギャップ」を調査した。
同調査では、「1年以内〜いずれ辞める」と回答した層を「退職志向層」、「しばらく続けたい」と回答した層を「継続志向層」と定義する。
退職志向層の不満の実態
起点として、不満がどこに集中しているかを確認したところ、ギャップが10ポイント以上となったのは「人間関係・職場の雰囲気」「給与・待遇」「仕事の裁量」「柔軟な働き方」の4項目だった。
「人間関係・雰囲気」は「退職志向層」が23.7%、「継続志向層」が7.9%で差は15.8ポイント。「給与・待遇」は「退職志向層」が43.4%、「継続志向層」が29.9%で差は13.5ポイント。「仕事の裁量」は「退職志向層」が15.1%、「継続志向層」が3.7%で差は11.4ポイント。「柔軟な働き方」は「退職志向層」が20.3%、「継続志向層」が9.8%で差は10.5ポイントとなった。
不安を感じたきっかけ
前問の不満が、どの情報に触れると強まるのかを聞いたところ、「同僚・先輩・上司からの話」が34.6%で最多となった。
やりがいと働きやすさの両立実感
やりがい・働きやすさについて、継続志向層は約3割が両立を実現しているのに対し、退職志向層は約半分の16.6%だった。しかし、どちらの層も共通して「働きやすいがやりがいはない」が最も多く、やりがいは感じにくいことが特徴として浮かび上がっている。
転職時にかなえたい条件
最後に、こうした認識が転職行動の条件選好にどのように表出しているかを確認したところ、両層とも最多は「給与・待遇が十分に保証されている」で、「退職志向層」は55.1%、「継続志向層」は64.6%となった。
「継続志向層」は働き方・育成も相対的に重視し、「退職志向層」は成果・スキルの報酬反映や裁量など、やりがいを求める傾向にあり、メンター制度や上司によるサポートへのニーズも相対的に高いことが分かる。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査タイトル:「Z世代の継続・退職意向」調査
- 調査対象:Z世代(1996年以降生まれ)で新卒入社した企業に在籍する入社3年目までの正社員
- 調査期間:2025年8月29日〜9月4日
- サンプル数:514名(新卒1年目256件、新卒2~3年目258件)
- 調査実施者:コーナー、マクロミル
- 調査方法:Webアンケート調査
- 出典:コーナー
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