同調査は、RPAアソシエイツが2018年8月~2019年12月にRPAに携わった770件の自動化業務を対象に行われた。主な集計部署は人事、業務、経理、情報IT、企画、業務推進グループなど。
調査の結果は以下のとおり。人事部門、経理部門については個別に傾向を見ている。
1. 自動化の対象業務の傾向について――
自動化の対象となりやすいのは、分析・改善・管理といった業務の「準備作業」
集計した人事、業務、経理といったさまざまな部門で自動化対象になる傾向が多いのは、「データ抽出」や「システム入出力」といった業務であることが分かった。現状を正しく把握し改善するために、データ抽出などの準備作業をRPAで自動化し、分析・企画業務に時間を割こうとする企業担当者の実情が読み取れる。また、自動化の対象になる業務は“一連の業務をロボットが担う”のではなく、RPAと人が一連の業務を分担して行うことで効率化させていることも分かった。
2. 人事部門、経理部門の対象業務の傾向について――
部門ごとに見ると、業務に合わせた自動化活用が進む傾向に
バックオフィス部門の中でRPAの活用が進む「人事部門」や「経理部門」に絞って、対象業務に傾向があるかをまとめた。
- 人事部門
- 労働時間のマネジメント業務を自動化する動きが最も多く、定期的に発生する人事情報の出力や、異動配置のためのシステム入力を代行する部分で自動化が進んでいる。また、関係者に定期的にメールを配信する業務なども自動化している。
- 経理部門
- 定型的なデータ抽出処理の自動化が最も多い一方、経理処理(振込業務や費用計上など)や決算のための集計処理などでも自動化が進んでいる。また、データの照合作業などミスなくチェックする業務も自動化されている。
3. 1ロボットの平均開発日数について――
1ロボットの平均開発日数は5~15日。通常業務の中でRPAの開発を進め、業務改革を推進していくには
1つのロボットを開発するのにかかる平均日数は5日から15日が多く見られた。ただし、業務自体が複雑なものになると1か月以上かかる場合がある。また、この工数は、RPAアソシエイツで研修を受けたプロの開発者が要した時間。人員に余裕のないバックオフィス部門では、通常業務+ロボット開発のスキル習得、開発を行うには時間がいくらあっても足りず、自動化業務の選定が行われても開発・運用に数か月かかってしまい、RPAの推進が始まらないケースが多く見られる。